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PRPを改めて考える⑧ ~その水、食品に触れて大丈夫? そのゴミ、食品に触れたらダメだよ!~

こんにちは! あたたけ です。

PRP集中連載に戻ります。
『JFS-C 規格文書 2.3適正製造規範』を参考に、PRPの(代表的な)各項目について順にまとめています。

※前回のPRP記事はこちらから

今回は、『空気・水』『廃棄物』についてです。

11.空気&水 ~食品に触れるのは、当然、食品用に!~

GMP 11 空気及び水の管理
組織は、食品製造に使用する空気、高圧ガス、水(氷と蒸気を含む)を、食品安全への影響を最小限に抑えるために、用途によって要求する基準を定め、定期的にモニタリングし、記録しなければならない。
食品製造に使用することを意図していない水、及び使用済みであるが食品との接触を許容できる水を食品製造に使用する場合は、製造専用の水に混入しないよう管理しなければならない。 

食品に入る可能性がある水は、当然、飲んで大丈夫な水にしようね、って話ですね。
『入る可能性』と書きましたが、原料として使う水だけでなく、装置・器具等の食品接触面の洗浄に使用するものは食品製造用水(または飲用適の水)にするのが基本でしょうか。

井戸水を使う、水道水だけど貯水槽があるとかの場合にはキチンと処理しましょうねって話ですね。
残念ながら、未だに、水に関する法令を知らない?工場を見かけることがあります。昔は水道水だったけど井戸水に変えた、にもかかわらず、定期的な水質検査をしていなかったとかね。。。。。
ウソのようなホントの話です。。。。

あと、経費削減の一環?なのか、『製造用ではない水』を清掃等に使っている工場もあります。
SDGsなのか経費削減なのかはわかりませんが、水の再利用をされることもあるかもしれませんね。
このような水を使うのはOKですが、間違って食品に入ってしまわないよう、配管や専用バケツ等は明確な区分をしましょうね。

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あと、忘れがち?なのが『氷』です。
工場で『氷が少しだけ必要』という場合に、いわゆる『製氷機』を使っていることがあります。
で、何年か前の話ですが、なんとなく製氷機の氷を検査してみたら、けっこうな数の細菌が出てきたことがあるんですよね。。。。。
聞いてみたら、製氷機を買って以来、掃除をしたことがなかったとさ。

氷も食品の1つです。
&当たり前かもしれませんが、凍っても微生物は死滅しません。
氷についても水と同様、食品に入る可能性がある場合には、キチンと管理をしましょうね。

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さてさて、『空気』とありますが、食品製造に使用する『空気』にもいろいろあります。
圧縮空気だけでなく、『製品に充填するガス』もありますね。
『蒸気』も空気としての側面があります。

管理の考え方をざっくりとまとめると、
使い方をキチンと決める。食品にどんな影響があるか考える。
というところでしょうか。

例えば、
『蒸気』が食品に入る可能性があるのであれば、『食品に入っても問題ない状態を維持する』必要がある!
食品に入る可能性がないのであれば、蒸気自体の状態は特に気にしなくてOK!
という感じですね。
※ボイラーの管理はしなくて良いの?と思うかもしれませんが、それは『設備』の管理で、蒸気の管理ではないです。蒸気圧も大事な要素ではありますが、それも、設備の管理で維持する方が妥当な気がします。

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12.廃棄物 ~どこにある? どこを通って、どこに行く?~

GMP 12 廃棄物の管理
組織は、廃棄物(廃棄する水を含む)を分別し、収集し、処分するための適切な手順を定めなければならない。
廃棄物の動線は、食品に交差汚染をもたらさないように設定しなければならない。
廃棄物の置き場所や容器包装資材は、有害生物の誘引や、有害生物・微生物の発生を防ぐように管理しなければならない。

ゴミ処理は社会的な問題なので、コンプライアンスの観点も考えないとダメですね。
そもそもゴミを減らすのをまずは考えないとダメなのですが、捨てる場合には『管轄自治体のルールに従った分別・廃棄方法を守る』が必須です。

あと、業者による不正も昔、話題になった記憶が。。。。
廃棄された食品が業者によって横流しされ、再度流通されたとか。。。。
専門業者に委託する際には、業者が信用できるかの判断は必要ですね。
(まぁ、これは廃棄物処理に限った話ではありませんが)

さて、製造現場で考えた場合、『廃棄物は汚染源』ですね。
食品との接触や誤使用を防ぐ必要があります。
この辺りは、『物理的、化学的、生物的製品汚染リスクと隔離』とも関係してきますね。

また、臭い等で虫を誘引することになるため、回収頻度を踏まえ、集積場所の密閉や清掃、温度管理なども検討する必要があります。

『作業場内の一時置場(≒ゴミ箱)』『最終の集積場所』『その間の動線』の3つが汚染源とならないことを考えると良いんではないでしょうか。

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ではでは。
今回はこの辺りで!

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