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HACCPに取り組もう⑤ 小規模な一般飲食店向け ~終~

こんにちは! あたたけ です。


引き続き、『小規模な一般飲食店向け≒(個人経営の飲食店)』の
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の話です。

今回は、『重要管理の衛生管理計画』を見ていきます。

全体の流れや一般的衛生管理の衛生管理についてはこちらをご覧ください。


1.どうやって作るの?

一般的衛生管理の衛生管理計画と同じように
『手引書に様式(フォーマット)があるのでそれを埋める』が楽です。


ただし、何度も言うようですが、
『例文を そっくりそのまま 丸写し』では何の意味もありません
特に、重要管理では!

食中毒予防3原則+αを元に食品事故防止に大切なことを考える

ということをお忘れなく。

【余談】手引書ってイマイチなの?

前回から引き続き『手引書のマネだけではダメ』という話ですので、
『手引書って意味がないの』と思われるかもしれませんが、
決してそういうわけではありません。
事故防止のために考えるべき事項(アウトプットすべき事項)が
整理されているという点だけでも、非常に有用なものだと思います。
ゼロから全て考えるって難しすぎますので、
『まずは、こういうことを考えよう』というのがあると進めやすいですね。

ですが、以下の2点がちょっともったいないと感じています。

①いろいろと情報が多いため、読み込むのが大変
②アウトプットの例示をはっきりと書きすぎ

これは、『作る側の想い』と『使う側(店の人)への配慮』
両立させた結果なのかなと思います。

HACCPの本質は、
自分たち自身でやること(ルール)を考えて決め、
自分たち自身でルールを守り、
自分たち自身でルールを守っているか・ルールに問題ないかを見直す、
という『究極の自主管理』です。

なので、作る側としては『答え』だけでなく、
『基礎知識(インプット)』や『考え方(プロセス)』を伝えたい。

一方、使う側としては、メンドーなことはしたくないから、
『答え(誰かが作ったアウトプット)』だけあれば良いと考えがちです。
当然、使う側に使ってもらう(HACCPに取り組んでもらう)ためには、
使う側が求めるもの(答え、アウトプットそのもの)も記載することが
望ましい。

と進んだ結果、
インプット・プロセス・アウトプットの全てが記載されてしまい、
先ほどあげた、もったいない2点になっているのかなと思います。

ただ、こうなると、使う側としては、
(他人が作った)答え(アウトプット例)だけを見てしまいがちなので
インプットやプロセスが流されてしまうんですけどね。

まぁ、エラソーに上から目線で評価していますが、
私自身では完ぺきな手引書を作れと言われても作れないとも感じています。

ということで、私としては手引書をより有効に活用してもらうよう
インプット、プロセス重視の情報発信』を行っていきますね。

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このように考えていくと、ISOなんかは、
『アウトプットすべき事項 と プロセスでのポイント』に絞って
規格要求事項が作られているのかなと思います。


2.だから、どうやって作るの(具体的に)?

さて、進め方ですが、次の2ステップになります。

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ここでも、一般的衛生管理と同じように、
食中毒予防3原則+αに関連づけて考えると良いでしょう。

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で、このステップ1での『3種類に分類』が
私的にこの手引書の最大の問題点だと感じています。

だって、3種類に入らないものもいっぱいありませんか?

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この分類はFDA(米国食品薬品局)の『Retail & Food Service HACCP』が
大元なんだと思いますが、ちょっと実際のお店の作業とあってない気も、、
特に『加熱しない=冷蔵品で温度管理だけ気をつければOK』という
雰囲気が出ているのが、あまりよろしくないと感じています。

この辺りの私の懸念は、こちらの記事の『やっつける』もご覧いただければ
ご理解いただけると思います。


実際に衛生管理計画を作る際、これらを4つめの分類にするのか、
3つの分類のどれに入れるかは、お店の考え方次第で良いと思いますが、
一番確実な方法は『管轄の保健所に相談する』でしょう。
※ちなみに、この記事では、とりあえず『加熱しない』に入れています。

さて、実際の分類例はこちらです(例はあくまで例!)。

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分類した後は、次のステップです。
分類ごとに、食中毒予防3原則+αを踏まえて
チェック方法(管理ポイント)
を考えましょう。

いちおう、食中毒予防3原則+αのまとめ資料です。
※以前の記事にのせたものと同じです。

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ちなみに、『加熱して冷まさない』と『加熱して冷ますもの』ですが、
『加熱』という点では同じような管理が必要になることをお忘れなく。
(厳密には、1回目と2回目以降の加熱の目的(調理目的?殺菌目的?)に
 よって管理ポイントが変わることもあります。
 この辺りについては、いずれ機会があれば見ていきます。)

ということで、各分類での管理ポイントの例です(例はあくまで例!)。

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それでは、今回はこの辺りで。
ここまでで衛生管理計画が作れれば、とりあえずHACCP義務化への対応は
ほぼほぼ完了ですね。ホントはここからが本番なのですが。。。
次回は『衛生管理計画を作った後』を考えます。

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