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微生物の分類を考える ~2022冬、HACCPの気づき①~

こんにちは! あたたけ です。

以前も少し触れましたが、現在、HACCP研修の資料(あたたけスタイル)を大型アップデート中です。
もう2カ月くらいかかっているんですけどね。忙しかった&あたたけ的HACCP最大のヤマ場『ハザード分析』は越えたからOK、と自分に言い訳しておきましょう。。。。

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ということで、今回から『HACCPについての考えが整理されたこと?新たに気づいたこと?』を整理しておこうと思います。
1回目のテーマは、生物的ハザードで重要な『微生物』の分類方法です。

さて、『食の安全』というものを考えたとき、やっぱり『微生物による食中毒』というものが管理対象として大きなものになります。
ここ数年はアニサキスが食中毒統計で上位に来ていますが、『事故の規模』『健康被害の重篤度』というものを考慮すると、やっぱり『微生物の管理』をまずはしっかりと考えないとなぁと思うわけです。
ついでに言えば、微生物は『先達から受け継がれてきた知識』も豊富にある事項ですので、HACCP(に限らず、食の安全全般)の考え方を身につける教材として扱うには適しているのかなぁとも思います。

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さて、生物的ハザードとして微生物のことを考える場合、あたたけは『管理手段の検討まで見越し、熱抵抗性で分類(≒芽胞菌とそれ以外を区分)が良い!』という立場をとっています。
研修でそんな話をすると、人によっては『菌種ごとに挙げなくて良いの?』『菌種ごとに挙げるって習った!』みたいな反応があります。
そんな時は『管理手段を検討するとき、こっちの方が最初はわかりやすいですよ!』みたいな話をして突っぱねていたのですが、改めてこの辺りを論理的に?考えてみました。

1.挙動

微生物をハザードとする場合、『挙動(汚染・増殖・生残)』を考えることが大事になります。
なぜなら、微生物による食中毒は、微生物が(発症するレベルまで)『つく』か、『増える』か、『生き残る(≒殺菌しきれない)』という挙動の結果で起こるからです。

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2.挙動の原因

実際の工程管理では『微生物の挙動を管理する』を考えるのですが、『その挙動はなぜ起こるのか(挙動の発生原因)』を考えることで管理手段の妥当性が高くなります(とゆーか、挙動の原因を考えないと、妥当性のない的はずれな管理手段になりがちです)。

具体的には、『汚染』に対しては『汚染源≒分布』、『増殖』に対しては『増殖条件』、『生残』に対しては『死滅条件』をまずは考えます。

『増殖条件』『死滅条件』については、『その食品の規格』『その食品製造時の主な殺菌手段』と関連させておくのがおススメです(pHや水分活性などは、増殖抑制にも死滅にも関わります)。

『分布』については、『原材料』の特性が関わりますが、そもそもの汚染源として、『人(従業員)』という読み切れないものがあるので、考えすぎても仕方ないときもあります。この辺りが、あたたけが『菌種ごとに挙げる必要性』を感じない大きな理由ですね。

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3.殺菌工程にあわせた分類

『殺菌』工程があるのであれば、まずはそれに関連する分類をするのが良いかなぁと思います。
だって、明らかに『微生物というハザードを管理するための工程』というが設定されているんですから、それをベースに考えるのが当然かと。。。

で、なんやかんやで『加熱殺菌』されている食品が多い(&研修の題材でもよく挙げられる)ので、まずは、熱抵抗性で分類(≒芽胞菌とそれ以外を区分)するのが良いとあたたけは考えています。

ついでに言えば、『増殖』にはいろんな要素が関わり、ややこしくなることがありますからね。
『加熱殺菌』工程があれば、『温度』というわかりやすい指標のみで大きく分類することができるんですよ!
分類の一歩めは『なるべく大きくする』のが、分類をわかりやすくするための鉄則じゃないのかなぁと思いますからね。
ちなみに、『殺菌手段≒加熱条件』と関係させるのが大前提ですので、芽胞も死滅するような条件の加熱であれば、まとめてしまっても良いかもしれませんね。

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ではでは。
今回はこの辺りで!
次回は、『HACCPとPRP』の関連について整理してみます(たぶん)。

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