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フードロスを考える④ ~使用期限は本当に食べられない期限?~

こんにちは! あたたけ です。

『フードロス』の話に戻ります。
『小売でのフードロス』について、あたたけの考えをまとめています。

今までのまとめとしては、以下のような感じです。

①フードロス解決には、
 『自分にもできる、当たり前のことを当たり前にする』ことが基本
②小売で『1/3ルール』は解決に向かっている問題。
 これ以外の問題の方が解決困難。
③解決困難な問題として、販売の現場では
 『チャンスロスとフードロスの両立』がある。

※詳しくは各記事をご参照ください!

ということで、今回は『製造の現場でのフードロス』を考えます。

小売といっても近頃は店内での調理加工が増えています。
スーパーマーケットだけでなく、コンビニでも普通に作っていますね。

『出来立て感』というお客様の期待に対し、
『出来るだけ販売する場面の近くで作る』と取り組んでいるのでしょう。
その延長として、
『ライブ感を出すための実演販売』とか
『商品をより身近に、直接感じるためのバラ売り(量り売り)』とかが
コロナ禍以前には流行っていた気がします。


さて、食品の製造現場では、どうしてもある程度の廃棄はあります。
魚をさばいた後の骨や内臓、果物を加工した後の皮など、
『食べられない箇所(否可食部)』の廃棄ですが、
これはフードロスとは別の話ですね。
(調理の仕方によって食べられる、肥料にできる、などなど
 いろんな意見はあるかもしれませんが。。。。。。。)

製造現場でのフードロス(≒食べられるものの廃棄)を考えると
あたたけの立場で気になる?申し訳ない?のが
使用期限切れでの廃棄』です。

商品自体や開封前の食材の期限管理については、
記載された賞味期限、消費期限を元に管理します。
在庫や発注の精度向上で、うまく売り切る・使い切ることが全てです。
(全てと言っても、前回のチャンスロスとの兼ね合い問題がありますが)

が、使いかけの食材、店舗で仕込んだ食材(いわゆる半製品)の場合、
使用期限というものを、自分たちの責任で決める必要があります。

で、あたたけのように『安全性の確保』に関わる立場にいると、
食品事故(食中毒、異臭など)がコワいから、期限を短めにする』と
判断したくなるんですよね。

理屈から言えば、
安全性(+品質)が担保できるギリギリまでを使用期限にすれば
フードロス解決に繋がるのでしょうが、
『担保できるための根拠』を個別に考えるのは
そもそも量の問題(=食材の種類)で実現は難しいです。
人をいっぱい雇って、お金もいっぱいかけて量の問題を解決したとしても、
質の問題が、、、、

『何をもって安全(+品質)が担保されると判断するのか』
『日持ち検査(細菌数や食味)を行うとして、
 その前提となる保存条件を店舗と全く同じにすることは可能なのか』
『それらの検査や保存条件の精度はどうやって保証するのか』
などなどの問題があります。

さらに、これらを解決できたとして
『数多くの食材&半製品について、個別に使用期限を決めたとして、
 店舗で全て完璧に管理できるのか』
『テスト段階で想定していない保存条件にならないか』
などなど、実践段階でもだいぶ不安が。。。。

そういう現状がありますので、結局のところ、
なんとなく分類し一律で使用期限決めてしまう、
つまり、
質(≒期限の精度、真に安全な期限と実際の期限の差異)には目をつむり、
量&実施段階での解決をはかる
ことになります。

で、『使用期限設定の精度が悪い』という認識に
『食品事故は起こしたくないという思い』が重なり、
『安全係数』という名の下、
結果、けっこう短めに使用期限を設定していると感じます。
(たまに、そこまで持たんやろって使用期限もなくはないですが)
(どこの小売、さらにはメーカーでも多かれ少なかれ同じ??)

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スライド2

さらにさらに、
一般的に『容量の多い方が、個数や重さあたりの価格が安い』ため、
ついつい『容量が多いもの』を食材として購入しがちです。
使用量が多いものならそこまで問題ではないのですが、
使用量が少ないものは特に、使用期限内に使い切れずに廃棄
多発してしまう。。。。。。
あくまで自主的な、根拠の薄い基準なのに、無視することはできない。。

今回の話って、『お金をかければどうにかなる』ことではあるのですが、
それは結局『価格が上がる』もしくは『利益が下がる』に繋がるわけで、
会社としては中々に難しいところなんですよね。
前回の話(チャンスロス)にも関係しますが、
会社というものは、『利益を出すのが前提の組織』ですから。
慈善事業ではありませんので。

儲け第一主義とかではなく、
『利益が税金に繋がり国の動力源となる』
『利益に余裕があれば、独自の社会貢献活動もできる』
ということなんですよね。
(まぁ、私腹を肥やすのに必死な経営者もいるのでしょうが)

スライド3

と考えていくと、全ての事業系フードロスを本気で解決しようとしたら
『社会のありようを見直す』ことから始めないと厳しい
でしょうね。
なので、やっぱり
『自分たちにもできる、当たり前のことを当たり前にする』ことが
基本であり、限界
なのかなぁと思います。

今回はフードロスについて『食品製造の現場』に関することを
あたたけなりにまとめてみました。
(小売だけの話じゃなかった。。。)
次回はまた別の場面でのフードロスのことを考えてみます。
それでは今回はこの辺りで。


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