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真似っこ、ま根っこ

「コイツ、ジブンをニンゲンやと思とんねん」――飼い主がニヤッと揶揄する、ワンコが時折。

「アノ仕草、課長にソックリちゃう?」――部下がヒソッと陰口叩く、カカリチョーも時折。

好意を寄せたりリスペクトを捧げる対象に、自ずと似てくるのはイキモノの習性らしい。

パパ or ママりんの――歩き方、姿勢、仕草や後ろ姿がクリソツの親子連れ。

“くはッ、まさにコピペかクローンかっ!?”

ふふ、良くも悪しくも微笑ましく。

さてココに、仲良く並び育って幾歳月…のサボテンとガジュマルがいる。

わが家3階、寝室への階段を上り降りする度、ショボけた眼を癒してくれるささやかなグリーンさね。

いつぞや近近の、寝ぼけ眼な涼しい朝。

階下へ下りるついでに葉水をば…と、霧吹きでシュッシュした、その時!

…うつつの目ン玉、ひん剥いたぞよ。

シシ神変容中の親サボテンから、地対空ミサイルの如く生え揃った子サボテンに…

“…根っこ生えとるん、コレ!?”

子サボテンの、明らかにトゲではない生白いヒゲ。

ニョロリと何本も、土に向かって垂れているではないか!?

“え、このサボテン…体から根を伸ばす設定?”

ま、それならそれでよい…。

だが、しかーし!

わが目にゃ、胴体から根っこズンズン――隣のガジュマルさんに張り合ったとしか!?

「ねぇママ…」

「なぁに?」

「隣のガジュマルさんの根っこ、凄いね?」

「あら、ホントねぇ!」

「ボクたちにはあんなの出ないの?」

「リキんでみたら出るんぢゃない?」

…とかゆー、サボテン親子の会話があったかどうかは知る由も……ない。

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