アソビ
ろう石の落書き。
近頃ぢゃ絶滅危惧的おアソビなのか、ドコん家の塀も道も…綺麗なもん。
ジブンが中学、いや高校にアガル頃までなら、決まってチビッ子画伯の落書きで賑やかだったのにー。
〈線路〉〈ロボット〉〈火を吐く怪獣〉が描かれてりゃ、そのお家には男の子が――〈お花〉〈ケンケンパの輪っか〉なら、女の子がいるんだな…なんて分かったり。
おとついだったか、ひさかたぶりの落書きをどこぞのお家の塀に見た。
キラキラおめめパチクリな、魔女っ子風味な顔面画…が、並んで2つ。
“おぉ…落書きやん!"
つか、ママりんも隣で描いたっしょ?…系。
…だって――ソツなくまとまるオトナの描線、弾けまくるコドモのソレ…の――違いは歴然。
…とはしながらも。
チビッ子画伯の自由闊達、伸びやかおおらかな落書きと…少なくとも未だ残量アリなママりんのアソビゴコロは――がんじがらめな令和の世の、ささやかな救いでもある。
さて、マンガ《刀剣乱舞/あそび》。刀剣男士が本丸で、懐かしの“コドモアソビ"に興じるってテーマのアンソロジー。
日々“オドロキ"を求める鶴丸と、その他馴染みのメンツが伯仲するは――〈めんこ〉の巻。
囲った陣内で激突する、昔日定番のカード・バトルだ。
ジブンのめんこで、相手のを追い出したり裏返したりすれば勝ち――で、負けめんこは戦利品としてわがモノに出来る。
わがめんこ仲間にゃ、数枚イッキに裏返す強者もいた。ジブンも、敵めんこを裏返す秘技を日夜研究したものだ。
キホン、敵めんこのそばに“ペシっ"と平打ち、風圧で“ペロンっ"と裏返すのがオーソドックス。
しかしてわが十八番は、スライダーの如く敵めんこの下に滑り込ませての、“ペロンっ"。
さらには、角当て…コツっとな。
平打ちを縦打ちに変え、敵めんこの角に必殺めんこの角をぶち当てての、“ペロンっ"だ。
…とまぁ、無限なるめくり技は――めんこ同士の“風圧"“衝撃度"“入射角"“距離"“重量"やらを勘案して平打つゆえ、考えてみりゃ物理学的実証遊戯…とも言える。
中には、“めんこの舞い"とも形容すべき美しい“めくり技"もあった。
敵めんこのそばに“ペシっ"と平打つものの、すぐには裏返らぬその幻技。
時間差の風圧で一瞬浮いた…かと思うと“ペロンっ"。時間差で裏返る敵めんこの位置ズレもない“めんこの舞い"――時間差の妙。
再現はムズいが、きっと物理条件の最適解が絶妙に噛み合った瞬間だったのだろう。
平成、令和。ついぞ外で見掛けることがなくなっためんこバトル、絶滅したかと思いきや――意外な姿で生き残り続けていることに勘づいた。
〈トレーディングカード〉!
アレって、PCゲームのカード版…とからしいけど。
いろんな戦闘条件を数値表示し、相手カードのソレと競い合い…勝てばわがモノに出来る、いわば脳内めんこ。
物理的にぶつけ合う、昔のめんこと本質は変わんないよねぇ…皆の衆?
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