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基本性格特性セット

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ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ… もっと読む
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで… もっと詳しく
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2020年12月の記事一覧

形容詞からビッグ・ファイブ・パーソナリティ in アルゼンチン

ビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する尺度の中には,項目が形容詞でできているものと,文章でできているものがあります。 辞書から性格を表す単語を抜き出して,その単語を整理していくという研究の背景もビッグ・ファイブ・パーソナリティにはありますので,形容詞で測定を行うというのも一理あります。その一方で,形容詞で測定するというのは時に抽象的で,回答しづらい場合もあります。 形容詞と文章たとえば形容詞の場合には, ◎明るい …… 1  2  3  4  5 (1=まったく当て

アイゼンク先生はBig Fiveが気に入らない

今回も,パーソナリティ全体を5つの次元で把握しようとするビッグ・ファイブや5因子モデルについて取り上げてみましょう。 以前にも,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの批判ポイントについては取り上げたことがあります。そこでは,5因子の安定性や再現性,現実社会を予測するときの問題点などが指摘されていました。 今回は,それよりもっと以前の1990年代前半に刊行された論文を取り上げてみたいと思います。誌上討論のような形で,5因子モデルの擁護派と批判派がそれぞれ書いている論文です。

Big Fiveの批判ポイント

現在,心理学の研究以外でも当たり前のように使われている,ビッグ・ファイブ・パーソナリティですが,当然ながら批判もあります。 今回は,今から十数年前に出版されたハンドブックの内容を踏まえながら,ビッグ・ファイブ・パーソナリティを批判するポイントをまとめてみたいと思います。 この記事です(Critique of the five-factor model of personality)。 置き換わってきたビッグ・ファイブ・パーソナリティの5つの因子というのは,いつでも必ず自

HSPはどんな性格特性に関連するのか

HSP(Highly Sensitive Person)という言葉も,この数年で一気に広まった心理学用語のひとつではないでしょうか。「繊細さん」などと呼ばれたりして,書籍もたくさん出版されています。 HSPの研究その一方で,HSPイコール生きづらさのような解釈を問題視する心理学者もいます。私自身,いくつかHSPの論文にかかわっていて,あくまでもひとつの心理的な個人差特性に対する興味としてHSPを捉えていますので,あまり「HSPがあるから生きづらい」のようには捉えていないので