見出し画像

ダークな性格の持ち主は仕事に一生懸命になるのか

割引あり

ダーク・トライアドという枠組みが提唱されてから20年以上が経過しています。子の間,非常に多くの論文が出版されており,いまでも増加傾向にあります。近年では,仕事の場面に関連する研究も増えている印象です。


仕事と性格

組織で働く従業員の前向きな勤務態度は,離職率の低下,勤務成績の向上,同僚との協調的な関係性の向上など,多くのメリットにつながると期待されます。

このような前向きな勤務態度に影響する要因として,最近,ダーク・トライアドが注目されている,という側面もあります。しかし,ダーク・トライアドの側面によって,勤務態度との関連は一様ではないようです。

仕事への態度

仕事への態度とは,仕事に対する感情や信念や,仕事への愛着,仕事に対する評価であるとされます。仕事への態度は多面的で,測定する際にも多様な内容を含める必要があります。

たとえば,次の3つが代表的な枠組みのようです。

◎組織への同一性:個人が組織の価値観や目標に共感する度合い
◎組織コミットメント:組織耶蘇の価値観,目標に対する感情的志向性を表し,たとえコストがかかっても組織を支援する努力を惜しまない行動への欲求をもつこと
◎仕事満足度:実際の成果と目標の成果を比較したときに,仕事を充実していると感じる傾向

マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーというパーソナリティ特性は,仕事への態度とどのように関連するのでしょうか。この点を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(“One of these things is not like the others”: The associations between dark triad personality traits, work attitudes, and work-related motivation)。

ここから先は

1,456字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?