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若者たちの喫煙開始要因

割引あり

私自身が喫煙者だったのは,もうずいぶん昔のことになってしまいました。駆け出しの研究者だった頃,学会の喫煙所で仲良くなった先生もいらっしゃって,それなりに関係性構築には役立ったりもしたのですけどね……。


電子タバコ

すっかり世の中では,電子タバコが広まっています。とある海外の調査結果によると,2020年の電子タバコの利用状況は,各年齢範囲で次のようになっているそうです。

◎12歳から17歳:5.1%
◎18歳から25歳:11.7%
◎26歳から29歳:6.2%
◎30歳以上:4.7%未満

10代後半から20代の電子タバコ利用者が多いようです。

タバコの開始

人々はいつ頃,タバコを吸い始めるのでしょうか。昭和から平成になる頃の日本だと,高校生男子が1回でも喫煙をしたことがある率というのは,今からは考えられないくらい高いものでした。男性成人の喫煙率も高く,自宅で父親や祖父が喫煙している家庭というのも珍しくなかったです。

18歳から34歳を対象に6ヶ月から3年間にわたって追跡調査をした研究によると,非喫煙者と喫煙者はそこに留まる確率が高く,移行する人は少ないという結果でした。

現在では,タバコ,他の可燃性嗜好品,電子タバコと,さまざまな喫煙に関連する物質が広まっています。どのような人がどこから喫煙習慣に入っていく傾向があるのでしょうか。こちらの研究で,結果を確認してみましょう(Factors associated with transitions in tobacco product use states among young adults aged 18–29 years)。

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