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高齢者のネットワークの大きさに影響する性格

人間関係の広さや人づきあいの多さを意味する,ネットワークサイズの大きさは,どんなことにつながるのでしょうか。たとえば過去の研究では,ネットワークが大きくなると……

◎うつ病の予防につながる
◎幸福度が高まる
◎生活満足度が高まる
◎睡眠の問題や疲労を軽減する
◎死亡リスクが低くなる

また,ネットワークのサイズだけでなく,人間関係の質がよいことは,BMIの低さ,喫煙率の低さ,アルコール消費量の低さ,身体活動の多さなどを通じて,死亡リスクの低下に結びつくことも示唆されているそうです。


年齢とネットワーク

社会的ネットワークは,年齢とともにどのように変化するのでしょうか。どうも,これまでの研究では結果が一貫していないようです。

ある研究では,青年期と若い成人期にネットワークサイズが増加し,30代前半にピークに達し,その後人生の後半は減少していくという報告がなされています。一方で,ネットワークサイズは人生の後半になるまで安定しているという報告や,むしろ人生の後半にネットワークサイズが大きくなり安いという研究もあるそうです。

社会情動的選択性理論と呼ばれる理論があります。この理論によると,年齢を重ねて人生の後半になえい,残りの時運性の時間が少なくなると,より強く親しい関係性を優先するようになることが仮定されています。ということは,高齢者はより小さく強いネットワークサイズへと変わっていくことも考えられます。


個人差とソーシャルネットワーク

今回紹介する研究は,イギリスで50歳以上を対象にした調査プロジェクトであるEnglish Longitudinal Study of Ageing (ELSA)のデータを分析するものです。中年期以降の年代で,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとネットワークサイズとのあいだにどのような関連が見られるのでしょうか。

こちらの論文を見てみましょう(Personality Traits Predict Social Network Size in Older Adults)。

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