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反対意見に抵抗しやすい人の性格

割引あり

現状の政治体制に対して,肯定するか否定するかは,パーソナリティ特性が影響するということが研究で示されているそうです。個人はしばしば偏った情報処理を行い,自分の信念に反する情報にはあまり注目せず無視する傾向を伴います。すると,政治的な意見として個々人の信念が強くなり,分極化していくとも考えられます。


性格と政治的態度

ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中でも,政治的態度によく結び付くのが開放性(Openness) です。開放性の高さは,知的な刺激を求め,異質な議論の内容を受け入れ,論争することも好み,哲学的な議論に発展しても楽しむような傾向にも関連しています。開放性が高い人は,自分の意見に対して反対の意見や否定的な意見に対しても,あまりネガティブな態度を取らないだろうと予想されます。

また勤勉性(Conscientiousness)も,政治的態度に関連する可能性が指摘されます。勤勉性の高さは,従来のルール,既存の規則,基準を守ろうとすることに関連します。

アメリカの研究では,開放性が高く勤勉性が低いとリベラル方向への親和性が高く,どちらかというと民主党支持になりやすいという研究結果が得られています。一方で,開放性が低く勤勉性が高いと保守的な政治的態度を取りやすく,共和党支持になりやすいとされています。

政治的態度への反対意見

パーソナリティ特性の高さは,自分自身の政治的意見に反対されたときへの反応に関連するのでしょうか。今回紹介する研究は,スイスで行われた調査に基づいています。イスラム教徒に対する政治的な意見についての論争を読み,意見を表明します。その意見に対する反論を目にした場合,人々はどのように反応するのでしょうか。

では,こちらの論文を見てみましょう(Dispositioned to resist? The Big Five and resistance to dissonant political views)。

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