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ダークな人のユーモアと幸福

割引あり

マキャベリアニズム(他の人を思い通りに操作する),ナルシシズム(誇大な感覚をもち特別扱いを当然だと考える),サイコパシー(冷淡で倫理観に欠ける)という3つのパーソナリティ特性は,ダーク・トライアドと呼ばれます。これらに,サイコパシーという,他者の苦痛を期待したり苦痛を見て喜ぶような傾向をあわせると,ダーク・テトラッドといいます。


幸福

ダークなパーソナリティの持ち主は,どんなときに幸福になるのでしょうか。これまでの研究では,ダークなパーソナリティと直接的に幸福感との関連が検討されています。

その中で,ユーモアを考慮に入れることがひとつの有効な手法だという研究があります。ダークなパーソナリティの持ち主が,他の人を苦痛におとしいれるようなユーモアを使ったときに幸福感を抱くのか?という問題です。

ユーモア

ユーモアの種類を検討する研究に,コミック・スタイル・マーカー(CSM)と呼ばれる枠組みを提唱したものがあります。

◎ユーモア……なんでもユーモラスに表現する
◎楽しさ……わかりやすく楽しい表現
◎ナンセンス……不条理であるほど面白い
◎ウィット……気の利いたことを要領よく話す,など
◎風刺……地位が上にいる人々を面白おかしく茶化す
◎アイロニー……賢く反対のことを言い,わかる人だけ楽しむ
◎サーカズム……鋭く痛烈に皮肉めいた嘲笑を誘う
◎シニシズム……斜に構えた表現で皮肉を言う

この中で,風刺,アイロニー,サーカズム,シニシズムは,どちらかというとダークなパーソナリティの人々がとりそうなユーモアです。これらを「ダーク・コミック・スタイル」と呼ぶ研究者もいるのだとか。

ダーク同士

実際に,ダークなパーソナリティは,これらのダークなユーモアのスタイルに関連するのでしょうか。また,幸福感を高めることにつながるのでしょうか。このあたりの関係を検討した,次の研究を見ていきましょう(Relationship between Dark Tetrad and affective well-being: Dark comic style as a mediator)。

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