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サポートは孤独をどれくらい緩和するのか

先進諸国では,人々のうち約3分の1が孤独感を抱いているという調査結果もあるようです。皆さんはいかがでしょうか。「孤独だ」と感じることはあるでしょうか。

孤独感は,いま自分が抱いていると認識している対人関係と,できればこうしたいと期待する対人関係との間に不一致がある場合に経験する,できれば回避したい状態やそれに伴う感情です。「孤独」という概念の中には,ネガティブなニュアンスが含まれています。その点で,「ひとりでいても平気」という感覚とは少し違っています。

サポートと孤独

孤独感はさまざまな精神的な不調,心身の健康に関連することがわかっています。加えて,都市部で人々が数多くいる中で生活していても「自分は孤独だ」と感じてしまうことがあります。とても現代的な心理状態だと言えそうです。

そして,孤独感を緩和するひとつの有効な方法は,ソーシャルサポート(社会的支援)だと言われています。他者との間の重要で密接なコミュニケーションは,孤独感を和らげるひとつの大きな要素です。

しかし,両者にはどれくらいの関連があるものなのでしょうか。基本的なところを理解しておきたいですね。また,性別や年齢,居住地域などによって,関連の大きさは変わってくるものなのでしょうか。このあたりの問題について,メタ分析で検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(The relationships between social support and loneliness: A meta-analysis and review)。

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