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【退職エントリ】リンクアンドモチベーションでの新卒3年間を終え、退社した。

こんにちは、あつきです。
2020年4月に新卒で入社をしたリンクアンドモチベーション(以下LM)を、2023年3月末日をもって退社しました。
在職中は社内外の多くの方々に大変お世話になりました。
散々発信や勉強をしていたプロダクトマネジャーもしばらくしなそうです。
コミュニティやTwitterで時々頂くPMに関するお悩み相談等は引き続きやっていこうと思います。

※LMはR系列なのもあって「卒業」と言いがちな気がしてたんですが、個人的にはあまり卒業って感覚はないので「退社」とします

このnoteは退職エントリですが、主に自分用に書きます。
ふとした時に、3年間LMで得たものを忘れてないか確認するために。
なので、多分めちゃ長くなります笑
(→なりましたw 興味のある方、よかったらお付き合いください。)

LMでの思い出

なぜLMに入社したのか?

元々、大学院で生物の研究をしていましたが、「人間」の研究をしたいと感じ、「社会人」の理解のためにも自分自身が社会に出る必要があると思い就活をはじめ、LMに出会いました。
エントリーマネジャー(他者のリクルーターに近い役割の方)に「あつきは脳のシワはすごいけど、心のシワは足りないね。それじゃあ人は動かせないよ」と言われたことが、LMの選考を受け、入社するきっかけとなりました。
「頭」だけでどうにかしてきたからこそ、「心」に向き合ってみるのが自分の次の段階に大事だっていう直感がありました。

研修期間、同期に火をつけられる

総合職採用で入社したため、新卒全体での研修期間を終えると、プロダクト部門への配属が決まり、追加でプログラミング研修が始まりました。
大学である程度コーディングに触れていたのもあり、研修課題は簡単でした。最低限の努力でサクっと終わらせ、必要になるまでは勉強しない。
そんな折、酔っぱらった同期から「あつきは、本当はもっと出来るのに最低限しかやらない。突き抜ければ良いのに楽してる。お前ダサいよ…」と言われました。

突き抜ける、最前線で走るのは孤独です。過去の経験からそのしんどさを分かった気になって、意図的に抜け出ないようにしてました。
「ダサい」のは嫌だなと、同期で一番の、1,2個上の先輩たちよりも上のプログラミングスキル付けようと思い、翌日からひたすらインプットとアウトプットを繰り返しました。

結果、研修期間の終わりにひとりだけ突き抜けている状態にはなれませんでした。同率1位みたいな感じで数名がどんぐりの背比べでした。
悔しさもありつつ、LMの同期は自分が本気で走るのを応援してくれるし、本気でバチバチに高め合えるなって確信をしたのが嬉しかったです。

PM最初の課題、コミュニケーション

研修期間を終え、エンジニアになると思っていたら、CTO(プロダクト部門のボス)より「プロダクトマネジャーです」と任命されました。
そして、まずはPjM的にプロダクトチームのWBS管理を行いました。
WBSを守るために、正しくマイクロマネジメント的な動きをしてしまいまった結果、デザイナーから「あつきは正しいかもしれないけど、俺は納得できない」と言われてしまいました。
思い返せば、あまりにリスペクトが足りませんでした…
「頭で分かっても心が追い付かない」なんて人間には当たり前。
正論は正しいけど、正論を武器にするのは正しくない。
それから、相手に合わせた正しいよりも適切なコミュニケーションを目指し、パスの名手である「アンドレア・ピルロ」というサッカー選手を目標に掲げて半年を過ごしました。

後にこのデザイナーさんより、ハイキュー!!になぞらえて「あつきのコミュニケーションが脅迫と書いて"しんらい"と読む、最高のトスに感じる」と褒めてもらい、影山のようだと言われますw
(リスペクトはしつつも、高い基準を求め、全く易しくないらしいですw)

また、この頃はそんな未来は予想してませんでしたが、このデザイナーさんとは結局その後2年半ほどのLMでのPM経験において複数のプロダクトでずっと協働し、退職については「最初の半年まじで嫌いだったけど、今はあつきが居ない仕事を考えられない」と言ってくださる仲になりました。

PM1年目、プロダクトづくりとは?

詳細は添付記事に書いてありますが、「プロダクト筋トレ」をはじめとして色々なインプットに注力し、プロダクトづくりとそれへの自分の関わり方について認識を作っていきました。

「プロダクトマネジメントのすべて」という本を愛読しつつ、プロダクトマネジメントのすべてをプロダクトマネジャーが一人でやらず、チームでやれることこそプロダクトマネジメントの機能した形であると思っていました。
ただ、そこに至るために必要なものが何かまでは分からず、それをチームに与えることができないPMでした。

事業成果としては、何も生み出せなかったが、チームの雰囲気を良くしたことを主に評価され1年目の年間MVPを頂きました。
正直、無茶苦茶悔しかったです。取れないことよりも、自分の力で取った気がしないまま受け取ってしまったことに様々な感情が浮かびました。
表向きのPMとして頑張ってる感の表出の裏で、事業成果につながらない焦りを感じ続けてました。

PM2年目、色々やってみる

PMを一年間やってみて、プロダクトづくりをちょっとわかったような気がしつつも、結局どうやったらうまくいくかはもっと分からなくなりましたw
とは言え、PM2年目が始まった2021年9月当時は、最初に持ったチャーンの相次ぐプロダクトの大きなピボットに向けての価値の再定義と、社内のプロダクト群を結ぶ共通基盤の構築に追われ日々忙しくしていました。

その中で我武者羅に他者事例を取り入れてはチームに合った形に着地させる取り組みを繰り返していました。
特にその後の他プロダクト開発へも影響が強かったのがデュアルトラックアジャイルの導入でした。手法というよりも、チームで顧客課題に向き合い、課題解決の仮説検証を行うマインドセットがかなり有効でした。

顧客課題に向き合った結果、ピボットの成功を感じる成果が出始め、専属のセールスチームが組成され、過去最高額の売り上げまでプロダクトを復活させられました。
また、共通基盤に関しても、顧客体験と開発者体験を両立できるような課題認識と仮説検証を行い、理想の在り方や今後の戦略を決め、順調に構築が進みました。

また、PM2年目の後半には、新規プロダクト立ち上げのサポートもすることになりました。
3プロダクト兼務となり、今まで以上に自分の時間の使い方を考える必要があり、そのためにもチームのみんながどんな役割を発揮するかという観点で「リーダーシップ」について考え、より一層チーム作りを大事にしました。

この頃から1年目にお世話になった「プロダクト筋トレ」での活動量もかなり増えてきます。社内外問わず、色々なプロダクトに関わる方々とのコミュニケーションから多くの学びがありました。

さらに、この3プロダクト兼務のタイミングで採用に関わり、エントリーマネジャーも兼任しました。
事業状況やチームの雰囲気の異なる3プロダクトそれぞれにおけるPMの振る舞い、会社を代表して採用に関わるものの振る舞い、コミュニティにおける1PMとしての振る舞い
他者の主観を理解し始め、人からの見られ方と見せ方とを強く意識してコントロールするようになった1年だったと思います。

PM3年目、プロダクトマネジメント

2022年夏に「ストレッチクラウド」という個人の成長を支援する新プロダクトをローンチし、このプロダクトの専任PMとなりました。
このストレッチクラウドは元々LMが提供していた研修事業と関連深いプロダクトで、営業や納品は研修事業の事業部が行いました。
その事業部は過去にプロダクトを売るという経験がなく、プロダクトづくりとはという概念をすり合わせながら進めていきました。

お互いの正しさの違いを理解しながら適切なコミュニケーションを行い、一つのチームとしてプロダクトづくりができる仕組みを作る。
まさに2年間模索し続けたことを発揮する場になりました。
個人的には、LMにおけるプロダクト事業立ち上げのスタンダードを作れたんじゃないかと思っています。

以下のノートにPMとは何かについての所感をまとめています。

改めて、LM社員の顧客に向き合う本気さを強く感じた経験でした。
また、退社する時点でローンチから9か月で大手企業10数社に利用頂き、複数社からアップセルもしていただけるようなプロダクトを生み出せた嬉しい経験でもありました。

LMはどんな会社だったか?

人に真摯に向き合う熱い会社だったと感じます。
個人の成長を促す研修も手厚く、上司から部下、同期やチーム内でのFBを行う機会もかなり多いと感じます。
感情を重視するコミュニケーションスタイルなど自分とは異なる部分もあるなと思いますが、だからこそ3年間で劇的に成長できたんじゃないかと思います。

新卒PMにピボットを任せ、共通基盤や新規プロダクトの立ち上げまでやらせてくれたことにはとても感謝しています。
そして何より、その機会を逃さないようにしっかりメンタリング等で支えてくださったマネジャーやチームメンバーには全く返しきれてない大量の恩があるなと思います。
若手に機会をただ与えるだけでなく、しっかり寄り添って成長を促してくれる会社でした。これからは自分で自分を成長させないといけないことを肝に銘じて去ります。

また、「モチベーションエンジニアリング」と呼ばれる心理学等の科学的な知見を背景としたLMが大事にする根本思想であり、哲学であり、技術であるものが存在します。
これに出会えたことがこの会社を新卒で経験できた最大のメリットだったなと思います。
あまりに深すぎて、モチベーションエンジニアリングを完璧に理解したなんてことは言えません。ただ、自分なりにその解釈は出来たかなと感じており、自分なりのモチベーションエンジニアリングを今後展開していけるなと思っています。

個人的に長らく引っかかった部分としては、大手っぽさでした。
会社はすでに大きくなっており、事業としても成熟しつつあります。
自分の関わったプロダクトは0→1やピボットなど新規立ち上げばかりだったが、不自由を感じることも多かったです。
一方で、3年目には大手ぽさの不自由の中でも新しいことをやるコツを掴んだ気がしており、結果として新しい文化をつくれたと思います。
裏を返せば、大手ぽさもありつつ、一定のルールに則っていれば、新しいことをできる余裕は十分にある会社だと思います。

ここまで書いて、言えることは、新卒で入って本当に良かったです。
プロダクト事業部には、直近中途のエンジニアの方が多く入り、モチベーティブな開発組織として満足度が高いイメージです。組織や個人の変革というなかなか珍しい事業領域かつ、内部組織の能率にもかなり注力しているため、中途入社もまた「自己変革」の機会になると思います。
そんな中途入社の方々からも「新卒で知りたかった」という声を散見するので、新卒で、キャリアの早いうちに、学ぶべきことをしっかり学べる会社だと思います。

まとめ

  • モチベーションエンジニアリングという最高の武器を得られた

  • 脳のシワと心のシワの二刀流になれた

  • 人に向き合った3年間だったからこそプロダクトづくりに向き合えた

  • 大手企業のようなすでに文化のある中での変革の仕方を学んだ

  • LMは人に真摯に向き合う熱い会社

  • LMは大手ぽさもありつつちゃんと変われる会社

  • 早いうちに学ぶべきことを最大級に学べる

なぜ退社するのか?

大きく3つの理由があります

  1. 新入社員の時から直感で3年って決めていた

  2. LMでの速度に慣れてしまった

  3. やりたいことが見えてきた

3年で変わらなければならない直感

そもそも入社理由は「人間」や「社会人」の研究でした。
将来的には、研究者なのか起業家なのか分からないけど、「人間をちょっと面白くしたい」と考えていました。これは今もほぼ変わりません。

問題はタイミングです。
全くロジックもない、直感で32歳が自分の切れ目な気がしています。
中学生くらいからずっと感じていると思います。
32歳を境に自分は大きく変わる。変えなければならなくなる。
そう思うと、院卒で入社したLMでは3年で何かしらの変化をして、28になる年には次の段階に進まなければならないと感じていました。

アドレナリンが出にくくなった

LMに入って、同期に火をつけられて以来、常に自分の思う最高の状態を掲げてその理想と戦い続けました。
毎日理想とはかけ離れているし、やらなければならないことも沢山、分からないことも沢山で燃え続けていた感覚でした。
LMでは3か月を1年と捉え、通常の1年間に4年分の変化を促す4倍速の文化があります。入社当初からこの速度感がギリギリやれるかやれないか、ヒリヒリして心地よかったです。
アドレナリンで生きてたなぁって感じます。

しかし3年目の途中、新プロダクトのローンチ頃、感覚が変わりました。
モチベーションは高い、パフォーマンスも出ている、チームのみんなも楽しそう、プロダクトも順調に売れていく…
ただ、ヒリヒリしない…あまりにも健全で、平和に感じる…
(実際は結構大変だった思うんですが、慣れてしまいました)

もっと速く、もっと死ぬかもって思いながらやりたいと感じました。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」と言いますが、上司には「もっと早くもっと遠くを目指して、それができる少数で戦ってみたい」と伝え、ベンチャー企業への転職を考え始めました。

自分が、未知との遭遇でしか満たされない、知的好奇心で生きている生物だってことを再認識したタイミングでした。

好奇心が向く「生態系」を見つけた

高校は生物未履修でしたが、「生物」への好奇心に従い、大学に進学しました。大学でも好奇心に従い「寄生植物」の研究を選択し、大学院に進学しました。博士への進学を考えた際に、「人間」への好奇心が強く、LMへの入社に至りました。
LMでは「組織」を中心に、「モチベーション」「コミュニケーション」「個人の成長」について学ぶ機会となりました。

そうしていくうちに、ある一定の境界や枠組みで縁取られる複数人の人間によって構成された「生態系」に興味を持っていることに気づきました。
「組織」も「プロダクトマネジメント」もそれを構成する諸要素による「生態系」とみなし、その活性化を思考していました。

生態系をつくり、それを構成する諸要素としての個人と、集団としての生態系そのものを面白くしたい。
そのためには、企業という枠組みにとらわれず、コミュニティや国、文化などについても学び、仮説検証としての実験をしなければならない。
それができる場を探す or 自分で作るために退社意思を固めました。

これから何をするのか?

  1. 人類が属する多様な生態系について研究をする

  2. 生態系をつくり、活性化できる存在を目指す

  3. 理想の生態系を生み出す

をします!w
どっかでは大学なのか研究や学問に戻るタイミングもあるかもしれません。

とりあえず次の会社も決まっており、個人的な起業準備やサービス制作も進めていますが、それらはあくまで上記の目的のための方法の一つだと思ってます。
ただ、次の会社もとても素晴らしい会社だなと感じており、そこで会社の目指す未来のためと自分の目的との交点として何をするかはしっかり決めてコミットします。
それはまたしばらく経ってからnoteに書きます。

また、冒頭にも書きましたが、PMは一旦しばらくはしなそうなので、プロダクトマネジメントについての持論展開もしばらく控えようと思います。
現在進行形でやってること以外は机上の空論だと思うので…!
プロダクト筋トレやtwitterでたまに頂くお悩み相談に関しては、過去の経験として開示をしつつ、お話しできればと思います。

おわりに

退職エントリなのにかなり自分語りぽくなってしまいました。
でも、それくらいにはLMでの3年間が今の自分を形作ったと思っています。
LMに入る前と、1年目の終わりと、2年目の終わりと、3年目の終わりに当たる今の自分とがもし議論をしたら、全員持論も意見も割れると思いますw
それくらい濃い時間でした。

本当に色々経験をして、させてもらえて、良い3年間でした。
ありがとうございました。
モチベーションエンジニアリングを自分なりに進化させてやりたいことをやってきます。

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