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RevOpsに思うこと

最近、RevOps(レブオップス:Revenue Operations)というキーワードが注目されてきています。今回はこの「Rev Ops」について、そもそも論から始まり、私が今思っているあれやこれやを雑多にまとめてみました。

Rev Opsとは、営業、マーケティング、カスタマーサービスなど収益にかかわる各部門の状況を横断的・統合的に把握することで、顧客への提供価値を最大化し、収益の最適化を目指す戦略的なアプローチです。

RevOpsの考え方が企業に浸透することで、
収益を生み出すプロセスが可視化

改善のためのサイクルが定着

より組織パフォーマンスを高めていける
と考えています。

従来の属人的なオペレーションや空気感で意思決定する組織では、個人のノウハウや活動情報はブラックボックス化されており、組織的な改善が難しいばかりか、活動情報は経営資産として残りません。

可視化されたプロセスは組織的に改善に取り組むための共通認識できる情報になります。また、名刺情報や人脈(関係性)など経営が投資した活動成果を経営資源として組織に蓄積し、活用していくことも重要です。

多くの企業では収益に直接関与する組織へ一定以上の投資を行っていると思います。RevOpsの考え方が組織にインストールされれば、収益性に効果をもたらし、現在問題となっている日本の生産性は幾ばくか改善するのではないかと本気で考えています。

Rev Opsとの出会い



私自身が、Rev Opsに注目し始めたのは10年程前。CRO(Chief Revenue Officer)の存在を知り、CROの役割を調べていく過程でRevOpsを知ることとなりました。

当時、国内にRev Opsの実際の手法についてはあまり情報がなかったため、海外サイトからの情報収集や、国内のセールス、マーケティング、ブランディング、インサイドセールス、カスタマーサクセス、カスタマーマーケティング、デジタルマーケティング、営業企画・経営企画、PMM、VC、PR/戦略PR、広報、CFO、CRM基盤構築など多くの領域の有識者や実務経験者、関連するプロダクトベンダーの方など多く方と交流させていただきました。

平行して、自分達の事業戦略に適したRevOpsの実装を仮説検証しながら少しづつ実装しています。

営業組織のプロセス標準化、SFA活用によるデータマネジメントとパイプラインマネジメントの定着化によるパフォーマンス改善、インサイドセールスとナーチャリング機能の導入によるMOFU(‎Middle of Funnel)領域のプロセス標準化とパフォーマンス改善、TOFU(Top of the Funnel)領域のプロセス標準化とMAとSFA、基幹システム連携による顧客統合基盤の構築、PMM・PR・Brand&Creative機能の導入による統合的なブランド&マーケティング戦略、CustomerMarketingの機能開発、顧客提供価値向上を目的に多くの部門と顧客、顧客と顧客が繋がるプラットフォームの構築、MROIの導入により収益マネジメントの最適化。

気付けば10年が経過。

組織の成長と共にチームは成長し、新たなに強力なメンバーも次々に加わってくれて、手応えのある成長を数値として確認できています。

これは仮説なのですが、営業組織のプロセスマネジメントからスタートできたのは幸運だったのではないかと思っています。企業にとっては多くの場合、短期収益が最も重要な指標となるのではないかという事です。(当然、そうでない企業も多くいると思います。過半数の株式を取得している創業者などは短期よりも中長期の指標で動きやすいなどなど)

❶企業にとってクリティカル性が高い売上という領域を担う営業責任者として営業プロセスマネジメントの根本な見直しを行い、短期的な売り上げ(当期と次期程度)の基盤が固まる。

❷中期的に取り組むべきテーマであるリード獲得やナーチャリング活動のパフォーマンスを向上させるためのインサイドセールスやマーケティング活動の見直しを行う。

マーケティングプロセスから営業プロセスまでのプロセスの可視化やデータ基盤の連携が無かったため、MA~SFAまでのプロセスを標準化してデータ連携基盤を構築。インサイドセールスチームがリードから商談化へのミッションを担い、同時にデータ整備と顧客情報の分析を行いプロセス改善によるパフォーマンス向上を実現。

❸長期的な取り組むとなるブランディング戦略への取り組み。事業部門のビジョンや戦略をベースに一貫性のあるマーケティング戦略の立案やブランドアイデンティティの確立。

❶→❷→❸緊急性が高い領域から少しずつ着手。緊急性は相対的に低いが重要性は同様に高いと感じていた❷❸領域の開発。この流れは必然だったのかもしれません。逆から始めていたら組織的なコンセンサスを作るのは難しかったのではないか、営業組織のSFA活用が定着化しデータ基盤の基礎が固まっていたからこそ、MAや基幹システムまでの連携によるCRM基盤の構築の投資判断が容易に出来たのではないのか、だからこそ収益全体のプロセスマネジメントを透明化できたのではないか。

以前、登壇をご一緒させていただいた大手企業の営業責任者の方も、自組織の近代化を営業を軸にスタートできたのが良かったのではないか、と仰っていたのですが、その時のコメントの意味がより深く感じられるようになったように思います。

トップダウンで落とせる環境や、新規事業の立ち上げ、ビックバン的な改革ができる状態でないのであれば、ボトムアップで行うには最も現実的なこの順序なのかもしれません。

取り組みの最中も情報収集と仮説検証を平行で積極的に行い戦略をアップデートさせながら組織を変化させ続けることを行いつつ、同時に学んだことを外に発信していくことを意識的に行いました。

学びを誰かに伝えようとすると思考の輪郭が明確になります。これは組織内に伝えるにも、とても役立ちます。また、自らの学びが同じような課題を持つ方の役に立つのであればそれは嬉しいことです。

更に発信を誰かが受けとり、伝播していくことで新たな機会や出会いが生まれます。ここからの学びが更に組織を成長させ続ける糧となっています。

成長のための地道なループが習慣として身に付いた感じがしています。

「Theレベニュー会議」とRev Ops

冒頭の話題に戻りますが、2022年からRevOpsをテーマとしたイベント『Theレベニュー会議』という企画をスタートしています。

企画当初はRevOpsというキーワードでの情報も少なかったことから、セミナータイトルとしてそのまま持ってくるのは適当では無いだろうというメンバーからの提案で「Theレベニュー会議」に。

しかし、ここ最近RevOpsの情報量が増加しており、注目度が上がっていることから、イベントの企画なども見直しが必要ではないかという議論を社内で行っています。

いずれにせよRevOpsは本質的に組織成長にとって重要なテーマだと考えています。今年も自分やチームの学びや経験、そして多くの実践者と有識者の取り組みを発信していければと考えています。

RevOpsのテーマに取り組まれている方、この領域の開発と社会実装に向けて是非ご一緒できれば幸いです!



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