マガジンのカバー画像

テクノロジーと社会

393
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

テクノロジーの進化とプロダクトの陳腐化

 日経電子版の記事【アニメを1日で4K、8K対応に ラディウス】は、AIを使って一般的な解像度のアニメ映像を高精細の4K・8Kに変換するサービスに関するごく短い記事です。  4K・8Kテレビの販売がどれだけ増えても、肝心のそれに対応するコンテンツが少なければ始まらない、という課題の卓越したソリューション(解決策)となりうるこのサービス、記事によれば―― ▶4K・8K変換を可能にするAI①『学習』・・・AIは、幅広い解像度の動画・静止画を深層学習。 ②『処理』・・・AIは

究極のMaaSとは

 日経電子版の記事【欧州地図大手のMaaS戦略 「超ピンポイント・ナビ」へ】は、欧州のデジタル地図サービス企業「HEREテクノロジーズ」の推進する最先端の次世代交通サービスMaaSに関するリポートです。  さっそく、記事などから、MaaSを突き詰めると、一般論としてどのようなサービスが可能となるのか整理してみると―― ▶MaaSを突き詰めると……(1)鉄道・バス・タクシー・シェア自転車・配車サービスなどを一括で   経路検索。 (2)友人・知人との相乗りをマッチング。

決して忘れてはならない『モノづくり』の重要性~IoT‐AI時代を生き抜く~

 日経電子版の記事【「エネルギーハーベスティング」 携帯電波で発電 Nexttech2030】は、現在進行形の第4次産業革命の時代に爆発的に増えていく膨大なIoTデバイスのセンサーを実際のところどうやって稼働させるのか、その電力問題の解となる『エネルギーハーベスティング』(身の回りにある熱・振動・電波など様々な低密度エネルギーを捕捉して電気エネルギーに変換するテクノロジー)に関する大変興味深いリポートです。  確かに、第4次産業革命の進行と共に、IT化が進行し、IoT‐AI

待ったなしの地球温暖化対策

 日経電子版の記事【温暖化がコメ脅かす 低品質米が40年代に2倍に】は、地球温暖化に対して何も手を打たなければ、コメが白く濁って見える白未熟粒の「低品質米」のコシヒカリでの発生率が2040年代に10年代の2倍に増える、と警鐘を鳴らすリポートです。  花が咲いた後の実が大きくなる時期に高温にさらされると、でんぷんが十分に詰まらない為に、実の中で光が乱反射して、透き通らずに白く見えるのだそうです。  ……この記事を読んでつくづく思うのは、地球温暖化の影響が様々な場面で顕在化し

道具とコミュニケーション~自然界の生存戦略に学ぶ~

 日経電子版の記事【自然に学ぶ"弱者の戦略" 競争を避けて生き残り】は、決して体が大きく力が強い生物ばかりが生存している訳ではない自然界で、弱者がどのようにして生き抜いているのか、その生存戦略に迫った興味深いリポートです。  さっそく、記事からその一例をピックアップしてみると―― ▶弱者の生存戦略①『不人気戦略』・・・厳しい環境にあえて進出して、そこで得られる          メリットを占有する。  (例)ハコベ・・・道端など踏まれやすい環境でも生き残れる柔らかい葉と

ファミレスのデジタルトランスフォーメーション

 日経電子版の記事【すかいらーく創業50年、次世代ファミレスへ進化中】は、「全国一律・同一商品・同一価格」の『メニューブック』に象徴されるスケールメリットの古いビジネスモデルからの脱却を目指す「すかいらーく」の姿を見事に捉えた好リポートだと思います。  確かに、ファミレスを取り巻く昨今の情勢は、スケールメリットだけに頼った効率化では対応しきれない様々な課題(相互に絡んで相乗的な影響を及ぼしてくる様々な要素)に直面していると言えます―― ▶ファミレスを取り巻く環境の変化① 

『代替肉』の広がりにビーガンでない人の選択

 日経電子版の記事【豆腐が消えた!? ドイツ、ビーガンに第2の波】は、ビールとソーセージというイメージに反してビーガン大国の一角を占めるドイツにおける代替肉などの広がりを、その動機や課題なども交えて深掘りした骨太のリポートだと思います。  この記事を一読して改めて強く感じたのは、今起きている代替肉ブーム、ビーガンブームが、過去のそれとは違って、大きなうねりを持った、一過性ではない時代の潮流であり、自分自身もその只中にいるのだ、という事です。  『代替肉』が、何故これ程まで

自動車メーカーが農園にコンサル?!

 日経電子版の記事【日産、イチゴ農園に「カイゼン」指南】は、日産自動車が工場などで培った『カイゼン』のノウハウを農業など異業種に応用するコンサルティング事業に関するリポートです。  さっそく、記事で取り上げられたイチゴ栽培用ビニールハウスでの事例を整理してみると―― ▶イチゴ栽培用ビニールハウスでの事例 (課題1)イチゴを熟度の高い状態で収穫することにこだわると、振動      などで果実の表面が傷付き易い。      ⇨(今まで)作業者が、約3キロの収穫かごを抱え、最盛

コネクテッドでパーソナライズ!

 日経電子版の記事【データでオーダーメード消費 車も歯ブラシもつながる】では、あらゆるモノがコネクテッド化して⇨ユーザーのデータを収集することで⇨最適化されたサービスを提供するようになる状況がリポートされています。  昨今、コネクテッドカーをはじめ、盛んにモノをインターネットに繋げる『コネクテッド』が叫ばれていますが、この記事は、『コネクテッド』によって何がもたらされるのかを考える良いきっかけになりそうです。  さっそく、記事などから整理してみると―― ▶『コネクテッド

「傘シェア」はシェアリングの原点かも知れない

 日経電子版の記事【駅や街覆う「傘シェア」、雨や雪も安心 鉄道各社採用】は、急な雨にも困らない傘のシェアリングサービス(サブスクも)に関する興味深いリポートです。  確かに、傘を持っていない時の急な雨には困惑します。  ――お店で食事をして外に出ようとしたら雨が……しばし呆然としていると、お店の人が傘を貸してくれた時の有難さ!  ――電車を降りたら雨が降っていて、やむなくコンビニで傘を買う時の憮然とした気持ち……何で今日に限って家を出る時に傘を持って出なかったんだろう…

環境活動の高まりと現実

 日経電子版の記事【世界の省エネ息切れ 効率改善率、3年連続で低下】は、「(記事より)国際エネルギー機関(IEA)によると、2018年のエネルギー効率の改善率は前年比1.2%にとどまった。改善率は3年連続で低下し、10年以降で最も小さい」という衝撃の現実をリポートしています。  グレタ・トゥーンベリさんをはじめ、世界各地で今までになく環境活動が活発化している、そんな思いを抱いていた中での衝撃の現実です。データのタイムラグ(ずれ)があるとは言え、環境活動の高まりと反比例するよ