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『天使の翼』第10章(121)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 それと、もう一つ我慢ならないのは、ローラがウォーター・ホースに拒否反応を示して、シャルルと一緒じゃないと嫌だ、と駄々をこねたのだ。後ろから、二人のまたがったウォーター・ホースを見ていたわたしには、ローラが、シャルルに抱きついて愛撫しているようにしか見えなかった。まったく!――わたしとシャルルが相思相愛だとはっきり言ってやったほうがいいのかしら……
 ウォーター・ホースそのものは、植民農家のおじさんが言っていた通り、かなりのおりこうさんで、特に何もしなくても、通いなれた水路を、街の行き付けの船宿まで連れてきてくれた。
 まあ、生きた水上エアバイク(?)みたいなもの……とは言えないな、やっぱり……
 船宿というのは、この星を船で旅する人のための乗船場兼パブのようなもので、宿の主人と件のウォーター・ホース2匹は旧知の間柄らしく――主人曰く、肌の縞模様で分かるとのこと。無論我々には判別不能――、あのフランクがしていたように、ご褒美の甘ったるそうな巨大飴玉をもらっていた。
 ローラは辞退したけれど、わたしとシャルルは、ウォーター・ホースの目蓋の辺りを撫でてやった。

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