無人タクシーのポテンシャルと課題~インターフェースをどうするか~
日経電子版の記事【日産・DeNA「無人タクシー」 実験で分かった課題】は、実証実験の進む最前線からのリポートです。
今、現時点で、無人タクシーに関してどんなことが分かってきたのか、記事などから整理してみると――
▶『無人タクシー』のポテンシャルと課題
(1)ポテンシャル
①『仮想停留所』・・・スマホ・アプリの中だけに存在するコスト0の
乗降場所。
②『キャッシュレス』・・・配車から支払いまで、スマホアプリで完了。
③『遠隔管制システム』・・・24時間監視で安全に。
④『価格設定』・・・タクシーより廉価。
⑤『地域交通の補完サービス』・・・相次ぐ鉄道・バスの廃線。
⑥『交通弱者の救済』・・・65歳以上の高齢者数が3500万人に。
⑦『渋滞解消』・・・法定速度で走る車が増え、全ての車が一定の速度で
走るようになれば、理論上渋滞は発生しない。
⑧『地域経済の活性化』・・・地域の魅力への足となる。情報発信も。
⑨『乗り心地』・・・いい意味で運転者の個性のないドライブ。
(2)課題
①『自動運転の精度』・・・もちろん、自動運転のテクノロジーの
さらなる向上。
②『インバウンド』・・・多言語サービスの必要性。
③『地域パートナー』・・・商業施設・病院など地域パートナーの開拓。
④『子供も乗れる』・・・子供だけでも利用できるサービスのあり方。
⑤『乗客のマナー』・・・居眠りする人、泥酔する人、飲食する人などに
どう対応していくか。
こうして見ると、改めて、無人タクシーのポテンシャルの高さと、課題が浮き彫りとなりつつあることが分かります。
特に今回分かったのは、人間のドライバーのいない分、機械である無人自動車と乗客、さらには、歩行者や他の車のドライバーとのやりとり、情報の交換、インターフェースをどのようにデザインするのかという大きな課題です。例えば、無人タクシーが、道を譲ってくれようとしているのか、そのまま前進してくるのか、ドライバーのいない(ドライバーの表情などでのコミュニケーションができない)状況で、どのようなインタラクションを考えたらよいのでしょうか?
▶情報のやり取り
●通常のタクシー⇔人間のドライバー⇔(会話など)乗客
⇔(アイコンタクトなど)歩行者
⇔(ジェスチャーなど)他の車の
ドライバー
●無人タクシー⇔(無人)⇔(?)乗客
⇔(?)歩行者
⇔(?)他の車のドライバー
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