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『天使の翼』第10章(131)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 これからのスケジュールを話すと、何故アンコーナなのか、という顔をしたが、すぐにシャルルの顔を見て――
 「まあ、いいわ。グラン・サンスとは10光年位の所だし」
 ――そんなに近いと知って、わたしは、少し緊張した――魔窟に近付いていくのは、やはり抵抗がある……
 わたし達は、何の問題もなく――帝国法典によって自由交通権が認められているから、当然といえば当然だったけれど、もう国境は越えていたし――航宙券を手に入れた。きわめて幸いなことに、アンコーナ経由グラン・サンス行きが、4標準時間後の出発だった。しかも、それは、一週間に1本しかない便だったのだ。
 皆、シャルルのアドバイスもあって、男性・女性それぞれに、この機会に身の回りのもの――主に消耗品を購入した。
 途中、急にフランクのことが気になりだしたローラを――本当の推測は言わずに――なだめ、わたし達は、店の前に戻った。

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