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短文

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短い言葉で綴る気持ちや想い。
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紫龍

紫龍

白の世界に靄が立つ
静かは更なる静寂に
西の空に傾く陽の光
空には龍が泳ぐ

柔らかな香りは心地よく
ふわっとあたたかな毛布のようで
心の中でそっと寄り添う

優しい色の紫は
穏やかで優しくて真面目
どんな色を混ぜたなら
もっと何かがみえるのだろうか

今日は今年最後の満月

青に羽ばたく

青に羽ばたく

まだ冷たさが残る微風の午後
春先特有のソワソワする気持ち

新しく始まること
希望
願望
祈り
いろんな気持ち

良いことばかりじゃなくて
でも悪いことばかりにはしたくなくて

綺麗事ばかりは並べられなくて
でもハスに構えてばかりじゃやるせなくて

多くは望まないように遠くに置いておく心と
でも望んで信じて願う気持ちと

きっとそれぞれに感じる何かがあって
時に見上げた青い空が
美しいと思う瞬間が

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小指

小指

貴方の小指になりたい

長くて美しい貴方の手
踊るように 泳ぐように 
美しく舞うその手の小指になりたい

貴方の右手の小指になりたい
他の指では近すぎるから
貴方の右手の小指にしてください

親指や人差し指では
役目が多過ぎるし 他のものに触れる機会も多いから
貴方の顔にも触れられる
貴方の右手の小指にしてください

私が貴方の小指になれる唯一の方法は
貴方が貴方の右手の小指を私だと認識すること

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キラリ

キラリ

透明の世界を通した
揺らいだ日常
日の光を浴びて
キラキラキラリ

ぽたん ぽたたん
不規則な水の音
静かな時間に刻まれるリズム
冷たい氷のような風

鋭く光る 賢者の剣
いつかは溶ける魔法の剣
握るその冷えた手に
温かいジンジャーティーを

怖いものには蓋をしろ

怖いものには蓋をしろ

怖いもの見たさ というけれど
敢えてみなくてもいい場合があるよね

最初は興味もあったけど
ちょっと覗いたら
もうすっかり1ミリも興味なかった

過ぎたことの行き違った部分を
訂正してまわるほどマメでもなくて
大事と思う部分はそうしてきてるのだから
きっとこれはもう手放したってことなんだろうな

ズレたまま平行線
平行線どころか どんどん間が開いていって
そういうことが怖かった自分もいたけど
なん

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蒼炎

蒼炎

見せなくていい
伝えなくてもいい
分からなくても分かってもらえなくてもいい
自分の中で燃やし続けていればいい

黙っていてもいい
笑わなくてもいい
微笑まなくてもいい
空気を読みすぎなくてもいい

お口チャックでいられるか
共感を求めずにいられるか
同意を求めずにいられるか
自分の中で蒼炎を保ち続けていられるか

出来るか
さあどうだ

結合

結合

形あるもの が結合する
それぞれの 個々の型を前提として

所詮異物だ
合うものと合わないものがある

どちらかにとっての良いは
必ずしも同じとは限らない

合ったと思うのは錯覚か
事実だからと言ってそれは真実か

そもそもが個であるのに
結合による結果はなんなんだ

面倒だなと思う

水ならどうだろう
水は 形なきもの なのか

そうであるなら私は水になりたい

誰かこの脳内を止めてくれ

✳︎

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星冴える

星冴える

冷えた空気を纏う暗闇は
より一層 星を光らせる

黒々と浮かび上がる神社の3本の大杉
寒空に尊く光り輝く枯木星
見晴らしのよい空に架かる冬銀河

深く息を吸い込むと
冷えた空気と共に
星の広がる宇宙までもが
ワタシの体内に入ってきた

壮大な夢想に耽る
12月の冬の夜

思い描く

思い描く

好きな空間を思い描く
それは静かな古い家の
ひんやりとした暗い色の木の廊下
東の窓から大きな西の窓に
ゆるく流れる爽やかな風

趣のある街並みは
観光を楽しむ人々の笑顔でいっぱい
美術館のカフェで
ひとり静かに飲むカフェラテ

街から少し離れると
どこまでも続く平らな畑が広がって
緑と青と網の目のような道が広がる
そこの空気はどんなだろう
風が吹いて髪がなびき
陽の光のありがたさを感じるだろう

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ためいきの色 #ひと色展

ためいきの色 #ひと色展

ふぅ。

まずは小さく

ふぅ。

そのあと
もう少し深く
ふぅー。

⭐︎

だいじょうぶ
こういう日もある
だいじょうぶ

ちょっと静かにまあるくなって
そーっとそっと
目を閉じて
自分の中を覗いてみよう

もやもや雲が罹った気持ち
とげとげのある 真っ黒なもの
どよんと動かない ずんとした感情

あるね
時々あるよね
結構あるよね
心に溜まってるよね



少ししたら自分の中に
小さい灯り

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月の道

月の道

ちょうど東の空に浮かんだ月が
海に道を作る

静かな土曜の夜
2日続いた雨は今日も降っていたけれど
夕方ごろには晴れて
きれいな空に月が登った

月が最大になるのは午前3時55分頃らしい
もう今は雲に隠れて見えなくなって
月の道も消えてしまった

景色っていつも同じじゃなくて
ずーっと見ていたいと思うそれは
刻々と変化する
きっと人も同じだろうなと
この世の万物は常に変化して
ほんのしばらくもとど

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キミを想う色    #ひと色展

キミを想う色 #ひと色展

遠い遠い街に住むキミへ
離れていても強く願うよ

キミの穏やかな日々を
キミの小さな幸せを
キミの周りに沢山の優しさがあることを

春の日差しは キミの心をふんわりと和らげて
夏の風は キミに心地よい爽快感を与えてくれる
秋の夕陽は キミに明日もいい日でありますようにと希望を与え
冬の陽だまりは キミがゆったりとのんびりする時間となって

そうやってキミの一日一日が
心穏やかな日々でありますように

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逃げろ逃げろ逃げろ

逃げろ逃げろ逃げろ

今はもう要らないから
嫌な気持ちからは
逃げろ逃げろ逃げろ

不穏な空気が流れても
そこに正面から向かうな
逃げろ逃げろ逃げろ

ドラマ観て
音楽聴いて
他の空間に
逃げろ逃げろ逃げろ

逃げろ逃げろ逃げろ
逃げろ逃げろ逃げろ

そうやってグルグルグルグル逃げ回って
最後に上手にぴょんと飛べ!

白い海

白い海

天気予報では晴れなのに
昨日からの雨が 時々空から落ちてくる
窓の外に見える景色は
白い雲と白い海
ちょうどその境目だけが
淡い青のラインとなって
天と地を分けている

早咲きの桜はとうに散って
雨に濡れた葉桜だけが青々と光って
まだ冬の気配を纏った残りの木々たちは
褪色した姿のまま もう少し先の春を待つ

ここからの景色は名残惜しい
空や雲が大好きな私にとって
ここでの暮らしはとびきりの特等席だ

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