厚目えむた

「透明人間」です。 映画についての個人的な感想や分析・解説(理解)を書きます。 たまに…

厚目えむた

「透明人間」です。 映画についての個人的な感想や分析・解説(理解)を書きます。 たまにアニメや本など、違うジャンルのことも書くかもしれません。

最近の記事

ん?私がnote書く意味ってなくないか?

今日、朝起きてふと頭に降りてきた。 「ん?私がnote書く意味ってなくないか?」という気付きである。 その閃きに私はとても驚いたのだが、それはよく考えてみると始めた理由からして至極当然だなと納得した。 私は「透明人間」なのだ。 私がnoteを始めた理由(故に終わる) 「私がnoteを始めた理由」みたいな紹介の文は、当たり前だがほとんどの人は一番初めの記事として書く。しかし私の場合、それは一応の「終わり」に書かれることになった。 その時点でこういう結末は必然だったの

    • 教養は「隠し味」であるという話とオススメの教養本3選

      私は大学生の時、色々拗らせていたというのもあって、岩波文庫を始めとした古典や専門外の分野の本を無駄に広く読み漁っていました。 所謂、「教養」を身に着けるためです。 その上で言えるのは、特に大学生は教養を身に着けるより大切なことがあって、それをしなければいくら教養を身に着けても無駄になるということです。 何故ならば、教養というのは「隠し味」だからです。 貴重な大学生活や人生を、私のように悪戯に消費して欲しくないという想いです。それを述べた上で、私オススメの教養本を3冊ほ

      • ソーカル事件及び『「知」の欺瞞』―文系人間が自然科学を勉強することについて―

        私は文系人間です。 だからこそ言えるのですが、文系人間というのは、心のどこかで理数系の研究に対して憧れやコンプレックスを抱いているものだと私は思います。 それは文系研究というものが言葉上の観念的な議論に終始するからであり、文系人間は証拠や客観性を求められた際にそれを示すことが出来ないことに対して後ろめたさを抱いているのです。 そういう文系人間にとって魅力的に映った(映る)のが、ゲーデルの「不完全定理」やハイゼンベルクの「不確定性原理」及びコペンハーゲン解釈、ウィーナーの

        • 『竜とそばかすの姫』を観た感想と細田守監督について思う事

          『竜とそばかすの姫』を観てきました。 正直、前作の『未来のミライ』で細田守監督の作品は自分の中で完全に見限っていたのですが、それでもまだ公開日に劇場へ足を運ぶだけの儚い期待はしていたのです。 しかし本作を観て、完全に自分の中での細田守監督への評価が決まってしまいました。細田監督の一つの到達点、限界を本作で見た気がしました。 今後、脚本を細田守監督が手掛ける限り、私は劇場にわざわざ足を運ぶことはないでしょう。 (2021/09/05追記:「やりたいことは分かるが感情が全

        ん?私がnote書く意味ってなくないか?

          アニメ『少女革命ウテナ』の私的な解釈(解説)と感想

          アニメ『少女革命ウテナ』を見る機会があったのですが、私の中では久しぶりに考えることや心動かされることが多かったアニメ作品でした。 私的には今までの中でも指折りで感銘を受けたアニメとなりました。それほど大きな衝撃で、もっと早くに見ておくべきだったと思いました。 そして、この作品はわざわざ理性によって分解すべきものなのか・出来るのかとも考えたりもしたのですが、自分の中で噛み砕く過程が欲しいとも思ったので、言語化して残しておこうという次第です。 まあ、1ヶ月以上頭を悩ませてい

          アニメ『少女革命ウテナ』の私的な解釈(解説)と感想

          私の好きなアニメ映画『人狼 JIN-ROH』の私的感想・レビュー

          考えてみると、限りある人生の時間の中で数回でも見直す作品というのは、それだけでも「好きな作品」だと言えるような気がします。 そして、これから紹介する『人狼 JIN-ROH』も、私は今までに数回は見返しているアニメ映画の一本です。 ただ、私がこれから伝えたいのは、この作品は原作・脚本を手掛けた「押井守」が当初の予定通りのシナリオで監督も務めていたならば恐らく1回しか見なかっただろうということです。 そういう点でも、この作品は奇跡のバランスを保っている気がします。 なお、

          私の好きなアニメ映画『人狼 JIN-ROH』の私的感想・レビュー

          『ウィッカーマンfinal cut』・『ミッドサマー』の私的な感想・解説(理解)

          先日、『ウィッカーマンfinal cut』を初めて観る機会があったのですが、「カルト映画」と評されることの多い本作も、私はかなりキチンと作られた映画であるという感想を持ちました。 そして、『ウィッカーマン』といえば、これに影響を受けた『ミッドサマー』を外すことは出来ないでしょう。 個人的には『ミッドサマー』には高めの評価をしていますが、『ウィッカーマン』を見た後では、また少しだけ違った評価が出来ました。 というのも、『ミッドサマー』という映画は『ウィッカーマン』のテーマ

          『ウィッカーマンfinal cut』・『ミッドサマー』の私的な感想・解説(理解)

          バイオレンス度No.1韓国映画『悪魔を見た』感想・解説と紹介

          今更ですが、私の記事はバイオレンス映画の感想や紹介がここまで多いですね。 誤解されたら困るなぁ……(^^; それはさておき、韓国映画というのはバイオレンス表現に定評がありますが、その中でも「バイオレンス度」が一番なのは今のところ本作だと思っています。 ただ、この過剰なバイオレンス表現も、その根底にある意図や構造は他の韓国映画と変わっていないのだと説明したいです。 しかし、それ故に本作はエンディングが消化不良なものになっているという感想です。 「バイオレンス度」No.

          バイオレンス度No.1韓国映画『悪魔を見た』感想・解説と紹介

          私の好きな名作映画『タクシードライバー』感想・レビューと考えること

          突然ですが、「何の映画が好き?」という質問に対してどの作品を挙げますか? これまた「オススメの映画は?」という質問と同様に、相手がどんな人間かということで変わってくるので、厄介な質問です。 私は何パターンか答えを用意しているのですが、相手が結構映画について知ってそうだなと思った際、一番無難な答えとして『タクシードライバー』と答えています。 なぜならば、『タクシードライバー』はタランティーノも認める不朽の名作だからです。 SNSが炎上するような今の時代になっても、やはり

          私の好きな名作映画『タクシードライバー』感想・レビューと考えること

          映画『アングスト/不安』私的な感想と解説(理解)・レビュー

          もしかしたら、人間にとって「理解できない」ということが一番の恐怖なのかもしれません。 何故ならば、それこそが「理不尽」に他ならないからです。 そして、この『アングスト/不安』はそういう映画です。 『アングスト/不安』を観た私の感想と解説 本作は公開初日に映画館へ観に行き、私はその完成度に驚きを覚えた映画です。 そして、この記事を書くにあたりレンタルでもう一度見直しました。 2度目の鑑賞でも、やはりこの作品は凄い作品だなと思いました。 この『アングスト/不安』とい

          映画『アングスト/不安』私的な感想と解説(理解)・レビュー

          私的オススメ映画『ひつじのショーンバックトゥザホーム』

          突然ですが、「オススメの映画は?」と聞かれたときに何て答えますか? これは難しい質問ですよね。 だって相手の嗜好やセンスが分からないと、「オススメ」なんて出来ないのですから。 しかし、私はこの映画『ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』は本当に誰にでも自信を持ってオススメ出来る映画だと思っています。 老若男女、芸術的センス、文化・国・言語……、そんなの関係なしに誰にでもオススメ出来る映画です。 間違いなく、素晴らしい作品です。 『ひつじのショーン~バック・

          私的オススメ映画『ひつじのショーンバックトゥザホーム』

          映画『TENET』私的な感想と解説

          今日、たまたまTSUTAYAに立ち寄って、『TENET』のレンタルが開始していることを知りました。 この『TENET』という作品は、個人的には現時点でのクリストファー・ノーラン作品の中で最高傑作だと考えています。 しかし、独特な世界観とそれに伴う複雑なストーリー展開によって世間ではイマイチ正当な評価を受けていないという所感です。 そこで、この作品は「回文構造」を味わう作品なのだということをこの記事で伝えたいです。 なお、この記事では「エントロピーとは何か」とか「逆行セ

          映画『TENET』私的な感想と解説

          韓国映画『チェイサー』私的な感想・解説

          バイオレンスな映画が無性に観たいときってありませんか? あっ、ないですか……。 私自身はそういう感覚でこの『チェイサー』の2回目の鑑賞を行ったのですが、1回目では気付かなかった本作の構造、及び韓国映画の本質に思わず気付いてしまいました。 韓国映画のどのような要素が名作足り得るのかということです。 『チェイサー』感想と総評 実は『チェイサー』を観るのはこれが2回目でした。 再度鑑賞した感想としてはやはり良く出来た映画だと思いますし、最初見た時の評価はもう少し高かった

          韓国映画『チェイサー』私的な感想・解説