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『アキレス腱部痛』における長母趾屈筋とケーラー脂肪体の関係を考える

長母趾屈筋とアキレス腱の位置関係


右足 後方からみた位置関係
右足 内側からみた位置関係
右足 外側からみた位置関係

 このようにアキレス腱の後ろを通って内側を通過するのが長母趾屈筋の走行です。実際はアキレス腱と長母趾屈筋のこの隙間には『ケーラー脂肪体』というものが存在します。

ケーラー脂肪体とその役割

ケーラーズ脂肪体

この脂肪体の役割は
アキレス腱と長母趾屈筋の滑走性の維持
アキレス腱付着部の圧縮にクッション
・後踵骨滑液包の摩擦軽減と内圧の調整

後脛骨動脈と脛骨神経の保護の役割を担っています。

ケーラー脂肪体の機能低下の影響

上記図のように脂肪体は3区画に分かれているため機能低下が起こると
足関節の可動域低下
アキレス腱の疼痛
長母趾屈筋の滑走性の低下
後踵骨滑液包の炎症
といった症状を引き起こす可能性があります。

機能回復の施術方法

 機能回復のためには、脂肪体の柔軟性と滑走性を回復させることが大切です。
柔軟性の回復には血行の回復が欠かせません。血行の改善には温熱療法もいいのですが、脂肪体をつまみ大きく可動させる事でダイレクトに刺激を与え、血流改善と柔軟性を引き出すことができます。Pointはつまんで可動させるです。
つまんで可動させた後に、脂肪体を把持したまま母趾や足関節の底背屈を自動で繰り返し、滑走性を出すことも忘れずに行ってください。

まとめ

 この様にアキレス腱の痛みはアキレス腱自体が炎症を起こしているケースもありますが、周囲組織、特に長母趾屈筋とケーラー脂肪体の関係も見逃してはなりません。アキレス腱の施術と周辺組織の施術では大きく異なってしまいます。もし変化が乏しい場合はケーラー脂肪体へのアプローチも考えてみると良いかもしれませんね。



みなみ整骨院
三堀 アツシ

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