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『読みたいことを、書けばいい。』著者・田中泰延さんの人生を変えた5冊

2023年3月23日にaudiobook.jpで開催した読書会にて、ゲストとして出演いただいた『読みたいことを、書けばいい。』 著者・田中泰延さんに、人生を変えた5冊をご紹介いただきました!

人生を変えた5冊

①小説:ジャン・クリストフ(ロマン・ロラン 著)

拙著『読みたいことを、書けばいい。』 内の「書くために読むといい本」というコラムでも紹介している本です。
高校生の時から何度もこの本を読んで思考や志向が大きく変わりましたし、思いもよらない方と直接お話しする機会もできたので、僕の人生を大きく変えた本と言えますね。

『ジャン・クリストフ』の主人公は音楽家で、ベートーヴェンがモデルと言われています。主人公は序盤、性格も口も悪いのですが、そんな人間が成熟していく過程を全10巻の大長編でじっくり描かれています。

この本の影響でベートーヴェンの音楽が好きになり、「第九」を歌えるようになりたくて合唱団に入ったほどです。
さらに、好きが高じて自分でベートーヴェンに関する記事を書いたのですが、それがご縁で世界的な指揮者の佐渡裕さんにご指名をいただき、ベートーヴェンについて佐渡さんに伺うYouTube動画出演の機会もいただきました。

この本は「人間の運命」と「運命に対する意思の力」がテーマになっていて、主人公は厳しい運命に翻弄される事もあるのですが、意志の力で乗り越えていく。その過程を読書という形で追体験したとき、自分も運命は意志の力で切り開けると信じるようになりました。

②4コマ漫画:自虐の詩(業田 良家 著)

『自虐の詩』は上下巻の4コマ漫画で、貧乏な夫婦が主人公です。
上巻だけ見るとギャグ漫画なんですけれど、下巻は「この夫婦はなぜ貧しい境遇で生きるのか」「人間は心の傷を抱えてどう生きているのか」を描く感動的なストーリーになっています。
僕の推測ですけれど、この上下巻の流れは作者もコントロール出来なくなったんじゃないかなと思っています。そのぐらい、最後は予想できない展開です。

この本を読んで、「くだらないことでも、自分の思いをぶつけていいんだ」と学びましたね。
その影響は拙著『読みたいことを、書けばいい。』 や『会って、話すこと。』の書き方に大きくあらわれていて、くだらない内容でも、自分の考えていること・思っていることをぶつけた内容になっています。

『自虐の詩』には、くだらないことも感動的なことも混ざっていて、「そういう本もあっていい」と勇気をもらえた気がします。
まあ、この本の影響か、担当編集者の今野さんからは「田中さんの文章って、変な内容が書かれていても最後にはポエムが待っていますね」とよく言われています(笑)。

③エッセイ:狂気の沙汰も金次第(筒井 康隆著)

『狂気の沙汰も金次第』は、夕刊フジで連載されていた筒井康隆先生のエッセイです。こちらも『読みたいことを、書けばいい』のコラムで紹介した本ですね。

『読みたいことを、書けばいい。』に書いた「随筆の定義(事象と心象の交わるところに書かれる文章)」は、実はこの本から来ています。僕の文章の書き方に大きな影響を与えた一冊と言えるかもしれませんね。

筒井康隆さんが文章を書いて、イラストレーターの山藤章二さんがそのテーマと全然関係ないけれど面白い挿絵を入れて毎日連載していたそうです。

どの話もおもしろくてクオリティの高い毎日連載を何ヶ月も続ける、「書くこと」の継続力が本当にすごいと思います。

ここでは紹介できないような、70年代の夕刊紙らしい過激ネタが満載なので、ぜひ皆さんにも読んでみてほしいですね。

④実用書:喋らなければ負けだよ(古舘 伊知郎 著)

アナウンサーとして有名な古舘伊知郎さんによる会話術の本で、実用的なうえに読み物としてもおもしろい、オススメの本です。

会話術の本は30~40冊くらい読みましたが、いまだにこの本を超えるものは僕の中にはないくらい学ばせてもらった本ですね。
例えば、好みの味じゃない料理を食べたときなんかは「好きな人は好きな味なんでしょうね」みたいな。料理を作ってくれた人を傷つけず、かつ自分の好みではないことをハッキリ伝えられる言い回しには感銘を受けました。
いかに言葉でピンチな状況を打開するかのテクニックが書いてある本と言えます。

また、大体の会話術の本には「相手の話を聞くことが重要」と書いてありますよね。でも僕は「誰も他人の話など聞きたくない」のに「相手の話を聞くことが重要」なのはおかしいなと常々思っていて。
その疑問を前提にして『会って、話すこと。』という本を書いたんですが、『喋らなければ負けだよ』には「相手の話を聞くことが重要」とは一切書かれていないんです。それがこの本をおすすめする理由の一つです。

『会って、話すこと。』の土台になった本と言っても過言ではないですね。

⑤エッセイ:スローシャッター(田所 敦嗣 著)

この本は、僕が立ち上げた「ひろのぶと株式会社」で初めて編集者として著者と二人三脚で創り上げた本ということで、強い思い入れもありますし、僕の人生に影響や気づきを与えた一冊です。

著者の田所敦嗣さんは水産系商社に勤務している方で、アラスカやチリ、ヨーロッパなどへの海外出張を通じて出会ったことや人との交流を描いた紀行エッセイです。コロナ禍で旅行に行けない期間が長かったからこそ、多くの人に届けたいと思いました。

これまでは著者や読者として本と接していましたが、この本で編集者として著者と接し、一緒になって考えることで、『読みたいことを、書けばいい。』から僕の担当編集者をしてくれている今野さんのすごさに気づかされました。

読者・著者だけでなく、編集者として、本との新しい付き合い方に気づかせてくれたという意味でも、人生に大きな影響を与えてくれた一冊です。

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