誰かのための犠牲は良いものか。

やっと終わった。
もともとアクションゲームはやってこなかったためかとても苦労した。ポケモンは永遠とやっていられるのにマリオの二番目のステージほどでコントローラーを投げ出すほどゲームは下手くそで普通の人の何倍も練習というか続けないと最後までいけない。
ましてや今回はスマホの無料アプリゲーム。気に入らなかったらすぐアンインストールしてしまえばいいみたいな考えが頭の隅にある。案の定、僕は何回もこのゲームをアンインストールしてしまった。

このゲームに出会ったのは大学生の時であったのでかなり前になる。キャラクターのイラストが好みだったしBGMの魅力がえげつなかったから世界観にすぐ引き込まれた。物語の作りこみ方も無料でプレイできるものだとは思えないほどだった。
ただ、作品に引き込まれれば引き込まれるほど強くなりたいという気持ちが大きくなり自分のゲームセンスの無いことに嫌気がさして、こんなゲームと全く悪くないゲームに八つ当たりをしてアンインストールをしてしまう。

それでも戻ってきてしまうのはあのストーリーの続きを見たい、それも自分がプレイしたもので。今の時代、誰かが配信しているそれを観れば一発なのだけれどこの二人の物語は僕が一人で見届けたい。と贅沢なことを思ったのです。

それからまた始めて二人の物語の終着点にたどり着く。
一人しか入ることが出来ない平行世界。大事なパートナーを置いて自分が犠牲になり今の世界を平和にすることを決めた主人公。
「この戦いが終わったら二人でのんびりしようと言った約束を守れなくてすまない。」こんな言葉を残しながら行ってしまった。

かつての仲間たちや依頼主との別れなど戦いと戦いの間に散りばめられた回想は胸を熱くさせクライマックスを盛り上げていた。
その中で仲間が言った言葉がある。
「出来ないことを言うな、残されたものにはそれが一番残酷だ。」
こんな感じだった気がする。テンションが上がってしまっていてうろ覚え。平行世界に行ってしまったら最後、こっちの世界には帰ってこれない。それは決まっていた。だから最期のお別れで「また、会える」なんて絶対に言うなよということだと思っていた。

だけど、違っていた。
どんな可能性が無かったとしても絶対に帰ってこいというエールだったと最後のシーンで感じた。
そして主人公も「出来ないことは言わない」と言っていた。それなのに最後パートナーに「また、会えるよね?」と聞かれたとき、「ああ、また会えるさ」とそれまで目を見て話すことが出来なかった主人公がしっかりと目を見て言った。どんな可能性を探ったとしてもこっちには戻ってこれないことは分かっていたはずなのに、ちゃんと「言った」。言ったということはそれは絶対に実現できるということだ。どんな手段を使ったとしてもパートナーに残酷な思いをさせないという強い意志が感じられた。

この物語の最後は安易な自己犠牲でハッピーエンドに持っていくことをしない。とても強い信頼関係で結ばれた二人の物語で締めくくった。

次の話がたのしみだ。

「消滅都市」 

たくさんの人たちから選んでくれてありがとうごさいます。