バリューを身近に感じてもらい、組織に浸透させていくコミュニケーションデザインの取り組み
このnoteでは、2023年の9月から新たに掲げることとなったアウモ株式会社のバリューを組織に浸透させて行くために、取り組んだコミュニケーションデザインについて紹介します。
はじめまして。アウモ株式会社でデザインをしているかさです。
とりあえず、なんでもやってみる事にしています。ということでnoteも書いてみる事にしました。
アウモには2018年から参加させていただき、現在はアウモとアウモの親会社にあたるグリーのコマース事業部管轄のジョブダのデザインなどを担当しています。
さて、今回は冒頭に記した通り、アウモ社のバリューを浸透させていくために取り組んだコミュニケーションデザインについてご紹介しようと思います。
取り組みの背景
アウモでは昨年8月に代表の交代があり、
ということから、バリューを策定することが発表され、9月にお披露目されました。
私は、このバリューの浸透を目的とした施策のデザイン面を主に担当しました。
デザインが担う役割を明確にする
まずミッションやビジョン、バリューという言葉は少し意識が高そうで、硬そうな響きをしていますよね。それを浸透させるというのは結構大変なことだと思います。
というか、そもそも浸透とは?どういう状態かという漠然とした疑問が浮かんだので、デザインを始めるにあたって改めて「浸透」の意味を調べました。
広辞苑にはこう書いてあるようです
まあ、液体などがしみこむということですね。
という当たり前のことがわかったわけなのですが、とても重要な事に気が付くこともできました。
硬いものは「しみこまない」ということですね。
硬そうなものを浸透させるのは大変そうだな、という当初の想像通りというか、硬いものは、そもそもしみこみませんでした。
ということで、デザインの担うミッションとしては、このバリューというものを液体のように柔らかくして、しみこんでいけるような状態にするということが明確になりました。
言い換えると、バリューを日常の中で「身近に感じてもらう」ということかなと思います。
コミュニケーションデザインの目指す方向性
では具体的に、バリューを身近なものに感じてもらい、組織に浸透させるために必要なことはなんでしょう?
アウモには「みんなの毎日を楽しく、幸せなものにする」というミッションがあります。
一般的に、「ミッション」は「なすべきこと」、「ビジョン」は「目指す姿」、「バリュー」は「実行すべき行動」と理解されることが多いと思います。
ミッション達成のためにバリューを実行するということですね。
コミュニケーションデザインも、このミッションに沿った方向性を持つ方が良さそうです。
次に、バリューが浸透した状態とは、その意味が体現されている状態と言えそうです。
例えば、標識や信号機を見た際、その意味を毎回考えることはありませんよね。直感的に理解し、行動に移します。これが理想の状態なのかなと思います。
言葉を超えて直感的に理解できるものということも重要そうです。
そして、ここに最もビジュアルデザインの余地がありそうです。
まとめると、ミッションを軸としてバリューを「身近にを感じてもらう」ための「言葉を超えて直感的に理解できるもの」というのが今回のコミュニケーションデザインの目指す方向性としました。
バリューを形にするプロセス
バリューの「浸透」とは何かを自分なりに理解した上で、世界の事例を調査しトーンを定めたり表現方法を探索するフェーズに移行しました。
ここでは便宜上、体系的に記載しますが実際の作業では順番はぐちゃぐちゃだったり、アウトプットができるまでの状態というのはカオスであることが多いです、、笑
探索
多様な価値観や個性を尊重する配色パターンや、デザインエレメントの組み合わせによる、一貫性がありつつも自由な表現が可能という、ブランドや企業のコミュニケーション例が多い印象でした。
表現の方向性
ここから、「一貫性を保ちながらも多様な表現に展開できる」ビジュアルデザインが理想的であると考えました。
バリューを身近に感じてもらうためには様々な面での活用が想定されます。できるだけそれらに耐えうるビジュアルシステムを構築できたら良さそうです。
トーンの検討
まず、アウモのミッション「みんなの毎日を楽しく、幸せなものにする」を軸にこれを体現できる人物像、ペルソナらしきものを想像しました。
「元気」「明るい」「ポジティブ」「前向き」
いつも明るく元気で、前向き。周囲に元気を与えてくれる。
こんな人がいたら、多分毎日が楽しく幸せになりそうですよね。
トーンに反映するとしたら、クールやクレバーな印象を与えるものよりも、明快で楽しげなデザインが適しているといえそうです。
またアウモ株式会社の提供する、おでかけメディアaumoというのはロケーションに根差したサービスだということを考えると、ロケーションに関連しそうで明るく楽しげな、分かりやすいシンボリックな表現を目指すことにしました。
試作
本来であれば試行錯誤の痕跡を色々と貼りたいところなのですが、ここまでで結構解像度が高くなってしまい、あまり迷うことなく割とスッとビジュアルデザインに落とし込むことができました。
(というのはまあ嘘なんですが、、お見せできるような美しいラフスケッチなどなく画力のなさに絶望しました。)
強いて貼るなら、某デザインツールFi⚪︎maのビジュアルデザインを真似てみたりというのは、ちょっと違いました...いつもお世話になっています。ありがとうございますm
またリサーチやこれらのビジュアル案の作成は、非常勤でコミットしてもらっている敏腕デザイナーにも手伝っていただき、頭が上がらない思いです。
デザイン案の提案
ということで、ここからは実際の提案資料を交えながら、バリューをどのようなデザイン案に落とし込んでいったかを紹介します。
まず前提を改めて共有しました。バリューを浸透させていくにはまず、ミッションやビジョンを含めた一連の流れがあって、具体的な行動に繋がるバリューがあると思うので、デザインもそれに準じて検討したという説明です。
次に、デザインを構成する要素を展開していきます。
ビジュアルデザインの軸がロケーション(ここでは都道府県+世界(結構強引))であるという説明をしました。
バリューの浸透を助けるためにコミュニケーションカラーを定めました。バリューに色を割り当てることで、直感的な理解を促進することを目指しました。
例えば、「Trust」には青を、「Challenge」には赤を選び、「For Clients」は成功を象徴する緑、「Respect」には私たちのサービスのメインカラーである黄色を使用しました。
次に、これらのバリューを視覚化するシンボルを作成しました。色と形を使って、各バリューを直感的に理解できるようにしました。
ここまでで一通りデザインの要素が揃いました。
これらの要素を組み合わせ、どのようにビジュアルコミュニケーションを展開してくかを、より具体的なアイテムを想定してデザイン案を作成していきました。
すべてを掲載するとボリュームが多くなりそうなので、ここでは提案資料のスライド一覧で紹介します。
なんだか明るく、楽しそうな雰囲気だな〜というのを感じてもらえたなら嬉しいです。
バリューを身近に感じてもらうためのデザイン
提案したデザイン案は好評でした。ありがたい。
早速、できるところから実際のコミュニケーションの中で使っていきたいということで、ここからは実際に運用されているデザインを紹介します。
Slackスタンプ
バーチャル背景
48背景×4バリューの組み合わせができるテンプレートを作成しました。
47都道府県+世界があるのでおそらく全ての出身地を網羅しています。
最も大切にしているバリュー×出身地みたいな組み合わせが可能です。
もちろん好きな土地を選んでも大丈夫です。
昇格辞令の賞状
アウモでは、昇格の辞令を全社員が参加する定例会で、賞状のようにして対象者に渡しているのですが、それもMVVを連想させるデザインにアップデートしました。
月間MVPの賞状
毎月の締め会で月間のMVPを表彰しているのですが、こちらも表彰内容がバリューに紐づく内容となり、それに合わせて賞状をデザインしました。
半期MVPの賞状
前述の月間MVPの賞状の流れで、半期のMVPでも同じようにバリューごとの賞状を作成することとなりました。半期MVPは個人表彰とプロジェクト(グループ)表彰があるため、8種類の賞状を作成しました。
分かりやすく、月間MVPの賞状よりも豪華にしたいというオーダーだったので、分かりやすく豪華にしました。
わかりやすく豪華なので拡大してみました。
以上が、現在までに運用されているデザインです。
まとめ
今回はコミュニケーションの基盤となるデザインを行い、ある程度の一貫性を持って、実際のコミュニケーションに導入していくということができたかなと思います。
これらのデザインを通じて、最初に掲げたミッションを軸としてバリューを「身近にを感じてもらう」ための「言葉を超えて直感的に理解できるもの」というのが実現されてゆき、バリューが浸透していくための支援ができていたなら嬉しいです。
今後も、バリューに関する認知を様々な面で広げていく機会が増えていくと思いますので、引き続きサービスもコミュニケーションも、「みんなの毎日を楽しく、幸せなものにする」より魅力的なものに進化させていきたいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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