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【教えて!ロコ先生】vo.2  – 呼吸/prana – Part #2

AutHenticity yoga school メイン講師の
ロコがお届けする
ヨガにまつわる深〜いお話、
『教えて!ロコ先生』。
「呼吸」をテーマに、
3回シリーズでお話します。

今回は第2弾です。
(第1弾はこちらから💁‍♀️)

この回にまつわるロコ先生の呼吸瞑想ガイドはこちらから👇
〜5つの鞘と繋がる瞑想呼吸〜

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前回の記事ではプラーナが、
息をすると肺に入る「空気」と
同義語ではないこと。

さらに、
いわゆる単なる肉体を生かす
「呼吸」活動とも
同一でないこと、をお伝えしました。

では、
プラーナが影響を与えているという
私たちの単なる肉体ではない体とは、
一体何のことでしょう?

今日の記事では
【 ヨガの3つの体と5つの鞘 】
の視点から
再びプラーナについて考えていきます。


–インド哲学「ヴェーダ」で考える3つの体

ヨガやアーユルヴェーダの
理論の元となっており、
起源は約5000年前にも遡る
インド哲学「ヴェーダ」では

体を3つに分けて定義しています。


①グロスボディ (Gross Body)

いわゆる肉体の形ある部分を指す。
「食物」で作られている場所。
内臓・筋肉・骨など。
喜びや悲しみといった感情を経験する場所、
とされています。


②サトルボディ(Subtle Body)

形のない体。
17 + 2 の構成要素でできています。

・5つの感覚器官
(五感|目・耳・鼻・舌・皮膚)

・5つの行動器官
(手・足・スピーチ・生殖器・肛門)

・5つのプラーナ
(プラーナには細かく分けて五種類ある*第3回で解説します)

・マインド(心)

・知性

に加え

・記憶
・エゴ

を含むこともあります。

外界の刺激とグロスボディを繋げ、
喜びや悲しみを経験する手段(道具)。

サトルボディがなければ
グロスボディは経験を実感することができません。

サトルボディがグロスボディから離れることを、
一般的に「死」と呼びます。

③コーザルボディ

目に見えないからだ。
グロスボディとサトルボディの原因(=causal)、
種となっているからだ。

はじまりを知ることができない、定義できない、
自分の本質を自分で知ることができない、からだ。

コーザルボディが磁力であれば、
サトルボディは電気力で、
その結果、
目に見えてわかりやすい現象としての雨が、
グロスボディと言えます。


–インド哲学「ヴェーダ」で考える5つの鞘


インド哲学「ヴェーダ」では
さらに細かく分類化し、

3つの体が5つの鞘(コーシャ)を作り、
私たちは異なった体の層で成り立っている、
としています。

 

【 5つのコーシャ(鞘)】

①アンナマヤコーシャ(食物鞘)


食物鞘とも訳される、文字通り、
食べたもので作られる一番外側の層。
具現化を維持している体。


②プラーナヤマコーシャ(生気鞘)

生命維持に欠かせない
生命エネルギー・呼吸の体。


③マノマヤコーシャ(意思鞘)

外界の知覚的体験や知的体験のからだ。
外の情報を直感的なからだへ伝える
メッセンジャー。
いわゆるマインド(思考)・感情、
あなたの内的世界を表す。


④ヴィジュナーナマヤコーシャ(理知鞘)

洞察力を司るからだ。
五感から得た外的情報を
判断する知性のからだ。


⑤アナンダマヤコーシャ(歓喜鞘)

私たちの本質
(魂・純粋意識・アートマン)
を包み込む鞘。
自分の存在への喜びや
感謝で満たされた鞘。



私たちが「呼吸」という時それは、
一般的な呼吸器系のシステム、

つまり、
空気中の酸素を肺に取り込み、
二酸化炭素と交換し、
血液を綺麗にして心臓に送る、
という活動を指します。

前述の3つの体でいうところの
グロスボディ、
5つの鞘でいうところの
アンナマヤコーシャ(食物鞘)を
維持するための、、生命活動のことです。

 
しかし、冒頭でも、
前回の記事でもお伝えしたように

「プラーナ」が、
「呼吸」という言葉よりも広義的であるのは、
もうお分かりの通り!

その他2つの内側のからだにも!
すべての鞘にも!
影響を及ぼしている生命エネルギーだからです。


–3つの体・5つの鞘を繋げる、呼吸とヨガとの関係性


例えば、
初めての仕事現場に向かう道中、
緊張を感じたら・・
ふぅーと、深呼吸、しませんか?


誰かの何気ない一言にカチンときて、
思わず言い返しそうになった時、
ふぅーっと一息吐くだけで、
言葉を選ぶ落ち着きが生まれたこと、
ありませんか?


マノマヤコーシャ(意思鞘)
の刺激が多すぎて、
ヴィジュナーナマヤコーシャ(理知鞘)
の洞察力・判断力が欠けると、
感情が振り回されたり、
物事をニュートラルに見ることができなくなります。


ただそんな時、
どうにかしようと考えたところで、
頭ではどうにも難しいことも、
呼吸をするだけで、
心のざわめきを整えやすくなります。


呼吸は、
サトルボディであり、
プラーナヤマコーシャです。
3つの体、5つの鞘の
真ん中に位置します。


こんな風に私たちは、
ヨガをやらなくても常日頃から、
呼吸を橋渡しに、
3つの体、5つの鞘を繋げる、
バランスを調整する、
ということを、自然と行っています。


それを意識的に練習するのが、
言うまでもなくヨガの練習の時間です。


アーサナ(ヨガポーズ)は
一番外側の体、鞘を動かしながら、
呼吸を通訳にして、
”外側の体” を整えるだけでなく、
“内側の体”、
五感や脳内会話という刺激を観察し、鎮め、
その先のさらに微細な体・鞘、
自分の本質に、繋がろうとする試みです。


私たちの本質(魂・純粋意識)
であるアートマンは、
目に見ることも、
認識することも不可能な存在ですが、


それに一番近いと表現されたものが
アナンダマヤコーシャ(歓喜鞘)です。


ヨガの練習中、
体の安定と広がりの中で
あなたが喜びを感じるとき、


また、日常の中で
何かや誰かへの感謝が自然と湧くとき、
それは、あなたがあなたの本質を
垣間見ている瞬間です。


そんな時はぜひ、
ふーっと改めて大きく息を吐き出し、
あなたの本質に似た喜びと感謝が、
あなたを構成する3つの体、
5つの鞘すべてに、
満ち満ちて広がっていくのをイメージして、
味わってみてくださいね。


体がどんな状態にある時も、
思考や心がどんな表現をしている時も、
「変わらないもの」であるあなたの本質は、
それらに影響されることはありません。
 
 
外側の情報や刺激に、
自分を見失いそうになる時は、
ぜひ、仲介役の「呼吸」を思い出し、
目を閉じて、深呼吸しましょう。
きっと、あなたの本質を思い出せるはずです。



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最後までお読みいただきありがとうございます!
また次回の配信でお会いしましょう。

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