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「ダーク・プレイス」

原題:Dark Places
監督:ジル・パケ=ブレネール
製作国:イギリス・フランス・アメリカ
製作年・上映時間:2015年 113min
キャスト:シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト

 金曜日から立て続けに3作品を観た、比較しようがない全く個性が異なる3作品。どれが良い、悪いの序列など関係なく楽しむが、この中で一番万人向けは何かと敢えて考えると今日の「ダーク・プレイス」だろう。「ゴーン・ガール」の原作者の作品が映画化ということで興味をそそられ観たが謳い文句ほどのミステリアスな作品ではない。丁寧に出演者の言葉を押さえていくと序盤で犯人(謎)は容易に解る。
 謎解きよりも兄と妹の再生の話だろう。S・セロンのインタヴューに刑務所での兄との再会シーンについて「とてもダイナミックさを感じるわ。リビーの記憶は曖昧なの。兄は犠牲者なのか悪者なのか……自分が彼を刑務所送りにしてしまった恐怖もある。リビーは兄に会い、恐怖じゃなくて怒りがこみ上げてくるの。彼とのシーンでお気に入りの部分よ。役者の血が騒いだわ」とあり納得する。8歳の時から「あの夜」を封印してしまった為に人生までも28年間闇にしてしまった彼女が自らの扉を開けるシーン。彼女自身が人生の中で銃で家族を目前で失くしてしまう経験が此処に静かに横たわっていたかもしれない。
 25日間という短期間に製作されたと知り驚く。無駄を省き音楽さえも背景の様に沿い全体として纏まっている。謎解きを楽しみたい方は本の方がよいかもしれない。映画序盤、あの印象強い「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でシャーリーズ・セロンとニコラス・ホルトが共演していた為、最初の顔合わせのシーンでは観る側がswitchを切り替えていた、参考までに。
★★★

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