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「はじまりのうた」

原題:Begin Again 
監督:ジョン・カーニー
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2013年 104min
キャスト:マーク・ラファロ、キーラ・ナイトレイ、アダム・レヴィーン
劇場公開日:2015年2月15日

 J・カーニー監督「ONCE ダブリンの街角で」「シング・ストリート」と観ていながらこの作品だけ未checkだったのでネット配信で今頃になって観る。
 食指が動かなかった一番の理由はキーラ・ナイトレイに興味がなかった。確かにこの映画でも演技は今一つではあったけれども、彼女を外しても大きなスクリーンで音楽込みで楽しみたかったと観なかったことが残念。

 ゼロからの始まりではなく、これは夫々の再生の物語。検索で上がってくるシーンは主役二人が多く、おそらく勘違いが生じた人が多いのではないか。
 恋人同士、夫婦、親子の再生が音楽を縦糸に紡がれていく。
 音楽担当はグレッグ・アレクサンダー(*ニュー・ラディカルズ)、又、脇役もラッパーのモス・デフ、本人役シーロー、勿論監督自身が昔バンドでベーシストだったことを考えると「音楽」で失敗する筈はない安全圏の映画。

 シンガーソングライターと云っても素人同然のグレダ(キーナ)を自分が立ち上げた会社からスティーブ・ジョブスの様に解雇されたプロジューサーが彼女のデビューアルバム制作に関わることで自らも復活していく。
 路上ライブ風景は次第にバンドが作られる過程でもあり、この辺りはシングストリートと被る(シングストリートが後発)。ベタであっても気持ちがいいシーンが続く。

 マーク・ラファロが冴えない中年からギターを自ら奏でる場面へといつのまにかカッコ良く変わっていく様は役者だ。

 この「一つの音楽を二人で聴く」、これは影のメタファーかもしれない。これにまつわる小道具も伏線としてあり、最後のシーンは落ち着く所へと着地する。想像通りに話は展開し大きな感動が待っている訳ではないが観る人を裏切らない映画というか万人受けするだろう作品。
★★★


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