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カウンセラーとは ②-2


※平成29(2017)年3月5日 発表内容を投稿

カウンセラーとは
①役目

②立場(姿勢・スタンス) 1~3 / 4~6


カウンセラーとは②立場 4~6

カウンセラーに必要な姿勢(立場)を述べる。
私の考えは、

1距離を保つ
2受容と共感
3答えを与えない
4待つ
5やさしさ
6ちょっとの技術である。


4待つとは、タイミング・時間である。
話し手にとって、話すべき・時・内容は一定には訪れない。
心の内側を言葉に出す事は簡単ではない。聴き手は話し手の話す事を無理やり聞き出すのではなく、その時を待ち、受け入れるのである。
それは、話し手の問題等に対する受容を待つ事でもある。
自分自身が少しでも受け入れられない事はなかなか話せないものである。なぜなら、受け入れる=知る=認める、事につながる。知らない事は疑問にもならない。つまり、疑問・問題と認識できて初めて気がつく。そして、受け入れ難いという事実にあったとしても、その気持ちを受け入れているのである。(受け入れられないという気持ちがあるという事に気づいている。その事を受け入れているからである。)
話し手が、気づき自分自身を受け入れようとした時、問題を外へ出そうとする。人により方法は様々だが、そのタイミングがくるまで待つのである。話し手が、話しはじめた時、聴き手はまた待つのである。問題解決策を言いたくなったとしても、本当にそれが必要か、話し手は自己受容できているか、見極めて『待つ』必要性を考えなければいけない。

また、話しの中の『間』は大事にすべきだと考える。考える間・想像する間・感じる間・否定拒絶の間、それら言葉のない訴えである。
なんとなくの沈黙に隠されたサインを見逃さない為にも、聴き手はその『間』も待つ事は大切だと考える。

5やさしさとは、甘えや叱咤ではない。
カウンセラーに必要なのは、受け入れるやさしさである。
私たちは無意識に正しさを探し選びたくなる。
だが、カウンセラーである聴き手に必要なものは正しさではない。
聴き・待つ・受容する、これだけである。
正しいと思う事が相手にとって正しいとは限らない。その上、一方的な正しさは反発しあう。また、善悪の判断をするのは話し手である。
聴き手は共感はするが同感はしない。
聴き手に必要なのは、善悪という『正しさ』ではなく、受容する『やさしさ』である。また、やさしい雰囲気や声のトーン等、物理的行動にやさしさも必要である。

6ちょっとの技術とは、傾聴の中で使う行動である。
うなづき・あいづち・表情・適度な声かけである。無反応な対応をされる程つらいものはないと考えるからだ。ただ、あまりにも技術に頼ってしまうと、話し手のサインを見逃す事になる。基本は聴く。これが出来て技術が生かされると考える。
また、人は役割を演じることにより、様々な効力を感じる。カウンセラーらしい技術は相手にもカウンセラーという印象を与える事ができるだろう。それは、良い雰囲気をつくる事に役立つ。だが、前述した通り、重要なのは、心に寄りそい聴く事である。


以上が私が考えるカウンセラーとしての姿勢である。
だが、ここで注意したいのは、『こうあるべきだ』と思う固定観念に縛られない事である。
もちろん、1~6のスタンスはカウンセラーを位置づける為に必要である。が、その考えにとらわれてしまい、『不自由さを感じる事』『柔軟性に欠く事』は避けるべきである。(カウンセラーとしてのスタンスを否定する事になるからだ)

カウンセラーは話し手の自己受容達成を目指す事が役割であると考える。それらも踏まえた上で、クライアントとの良関係を築く為の方法・心構えとして位置づけたい。