起きたら増えてる引っ掻き傷
最近顔面の生傷が絶えない。犯人はうちの姫様である。
姫様の朝は早い。
我々夫婦より先に起床すると、何やら独り言を唱えながら両親を起こしにかかる。
時には平手打ち、時にはヒップドロップ。そのどれもが失敗すると泣き出す仕様になっているらしい。(狸寝入りで確かめた)
しかし、最近引っ掻くという技を覚えたらしく、それはそれは激痛で起こされるのだ。
「いっっって!!」とぼやける目を開けると、そこには笑った姫の顔がある。狂気すぎる。
いや、たぶんこれは幸せな朝なのだ。娘に起こされるなんて至福の朝のはずだ。
数ヶ月前までは引っ掻かれようが何されようが大した痛さではなく、なんなら幸せだった。"爪を立てる"ということを覚えたのね〜と、それはもはや成長の証のように感じていた。しかしどうかね、握力がついた途端にこの有様である。ついに皮膚をえぐれるだけの筋力を身につけ、加減など知らない乳児がこんなに恐ろしいとは夢にも思わなかった。
問題なのは、やめさせる術が見つからないことである。
だめ!と言っても「だめ」の意味を理解しないし、怒ったところで泣き出すだけで意味がない。
「いっってー!」と反応するとそれがおもしろいらしく、ゲラゲラ笑いながら追撃が来る始末で、乳児とのコミュニケーションは困難を極める。いい方法があったらぜひ教えてほしいものだ。
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