本当に残念な事だ。

桜を見ても昔ほど感動しなくなっている。

今の心理状態がそうさせているのか、歳を取ったからそう感じるのか、それは定かではない。

桜を見て感動しないと云うことは、花を見ても気持ちが晴れない何が特別な理由があるのだろう。

桜でお腹は満たされない。

お腹を満たすには、団子だ。

でも、団子だけでは満たされない。

ならば何でも手に入るお金があれば良い。

お金さえあれば、満たされるのか？

いやいや、身体が元気でなければ、何をやっても楽しくはない。

結局、健康が一番か。

健康であれば、桜も見れるし、団子も食べられるし、お金を使う意欲も沸いてくる。

逆に健康でなければ、それら全て何の喜びにも繋がらない。

健康様々。

今日の身体に感謝しよう。

いつも通りに動ける事、身体の心配をせずに仕事へ行ける事、食べたい物を食べられる事、欲しい物を買える事、やりたい事をやれる事。

桜じゃお腹も気持ちも満たされない。

だけど、毎年桜を見たくなる。

桜並木へ吸い寄せられていく。

それらを見て、感動は薄れてしまっても、桜を見られる事に感謝しよう。

理想の環境に住めなくても、
なりたい自分になれなくても、
未来に希望を抱けなくても、
作り笑いをしなければならなくても、
眠たいのに仕事をしなくてはいけなくても、
飢えていく子どもを助けることが出来なくても、
己を責めることをやめられなくても、

下を向くなかれ。

春は空を見上げて、桜を眺めて黄昏れるのが風流だから。

過酷な天候を乗り越えて、一生懸命咲いた桜に敬意を込めて、今年もまた桜を愛でる。

桜に何もしてあげていないのに、桜は毎年空を見上げることを教えてくれる。

その美しさに、心震わせる事はなくなったが、愛おしさは増していく。

いつだって桜と共に春を迎えているから。