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頭をからっぽにするとアイデアが降りてくる (88/365)

よく「アイデアが降りてくる」と言いますよね。行き詰ったときは神にもすがりたい思いです。ではどういうときに「アイデアが降りてくる」のでしょうか?

中国の故事に「三上」があります。

文章を考えるには、三つの上すなわち

馬上 馬に乗っているとき
枕上 寝ているとき
厠上 用を足しているとき

が最適だと言うのです。いずれの場合にも共通なのは、「行為に集中していて余計なことを考えていない」ということではないでしょうか?

「下手な考え休むに似たり」ということわざもありますが、一旦頭も心もリセットした方がかえってよいアイデアが浮かぶのではないでしょうか?小さいながらもそういう体験はみなさんもあると思います。

なんでこんなことを考えたかというと、最近この本を読んだからかもしれません。

この仮説によれば、深層心理は、「ゼロポイントフィールド」という量子力学的な場に波動として統合していくというのです。心理学でいうところの集団無意識に相当します。この観点からは、表層の思考は邪魔でしかありません。自分を解き放ってこそ、アイデアが降りてくるのでしょう。

もう10年以上前になりますが、岸英光先生のセミナーで興味深いワークを体験しました。

AさんとBさんでペアになり向き合います。
Aさんは人生で一番感動したことをBさんに話します。
Bさんはしっかり傾聴します。
ただし、BさんはAさんの話すことを一言一句逃さずオウム返しします。
話が終わったら、BさんはAさんの話から心に浮かんだ情景を話します

太字の部分がポイントです。傾聴とはなかなか難しいものです。話の背景を考えたり、先読みしたり、自分の記憶と紐づけたり、要するに余計なことで思考を満たしてしまいます。

オウム返しは、機械作業ですから、余計な思考を巡らす隙がありません。つまり、忙しくしていると思考はむしろ空っぽなのです。

それによって、「AさんとBさんの間に目に見えないコミュニケーションチャネルが形成されます」というのが岸先生の説明でした。

ちなみにAさんの話は、学生時代のアメリカ留学の思い出でした。私は必死にオウム返しして傾聴しました。浮かんできた情景は、西海岸の夕日、ヤシの木、宿舎の前の広い芝生、そこで語らう仲間たち、の情景でした。それを話したときのAさんの反応が忘れられません。驚きのあまり顔面蒼白でした。

私の心に浮かんだ情景は、まさにAさんが体験したものだったのです。

岸先生はコーチングの専門家ですから、なぜこのようなことが起きるのかという原理の探究はしませんでした。いまになって、この現象は先に紹介した田坂氏の「ゼロポイントフィールド仮説」で説明できるかもしれないと気付きました。

あくまで「仮説」ですから立証できませんが、こんな簡単なワークでもその効果を体験することができます。

原理がわからなくても、効果が期待できるなら試してみればいいと思います。そもそも、みなさんスマホの電子的な動作原理わかってますか?(笑)

あなたなりの「三上」を見つけてみませんか?ほんのささいなひととき、習慣でよいのです。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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