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「お見積り」の裏側にあるもの

ちょっと最近色々あって、報酬をどのように決めれば発注側も受注側も納得できるのか、見積はどう出すべきか、と考えていたのでその内容を整理してみます。

<注>
・今自分が個人事業主なので、発注側:企業または個人 受注側:個人事業主 という前提で書いています。企業を想定した「入社時の給与決定」とは重複するところもありますが、異なる部分もあります。

・報酬を決める要因は、以下以外にも同業の相場とか景気、外的要因があるのですが今回はそこは考慮していません。また、今回はざっくり整理したいだけなので、細かい要素は網羅できていません。

提示額(見積)を決める際の4つの要素

見積もり額を提示するときに考慮すべき要素がおおまかに4つあります。
これは≒相手に何を価値として提供できるのかを示したものです。

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上位に行けば行くほど希少価値が高く、プレッシャーが大きくなっていくようなイメージです。

ただ、実際見積の内訳に能力や経験、かかるプレッシャーなど可視化しにくい指標を書くことはほとんどなく、アウトプット(納品)ベースか、客観的に測定しやすい稼働時間ですり合わせをすることが多いのかなと思います。

ここで、その見積に落とした時、裏側に何が含まれるのか、発注側と受注側で認識がすり合っているか確認が必要という話です。

前提をすり合わせしないとお互いアンハッピー

たとえば「稼働時間1時間」と一口にいっても、専門家がそれまでの経験や技術を駆使してつぎ込んでアウトプットをする1時間と、非専門家が何も考えずに誰でもできる流れ作業だけをする1時間では、仕事という意味での価値も、生産性も異なります。

1時間で良質のアウトプットができるということは、それをできるようになるまでに時間なりお金なり投資をして、蓄積されたものがその裏側にあるわけです。

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改めて書くまでもない超普通の話なのですが、こういうことを発注側が認識していなくてお互い違和感があり、それが積もって大きなギャップになっていくことは割とよくあります。

乱暴な例をあげると、イラストレーターのAさんに小さな挿絵を頼むという機会があるとして「このくらいなら30分で描けるからもっと安くできるよね?」と値引きを依頼するようなイメージです。30分で挿絵を描けるのはAさんの鍛錬の結果に他ならないのですが、必ずしも悪気があるわけでもなく、単純に想像がおよばないため「できるだろう」と判断してしまうというだけの話です。

双方に想像力と配慮が必要

受注側は実績やポートフォリオを整理して客観的に提供価値を伝えるとか、そもそもの難易度とか、最初の段階で極力具体的に伝えると後々のトラブルを防げるかもしれません。もちろんできないことをできる風にざっくり伝えてしまうのもよろしくない。一方、発注側は見積の裏側にある金額根拠についてもう一段階想像力を持っていただけるとありがたいなと。

双方パートナーシップを持って、金額の妥当性や根拠についてしっかり合意できることが、健全で良い仕事をするスタート地点だと感じています。

どちらに原因があるにせよ、そのようなコミュニケーションが取れない場合は関係を継続するのは難しいのかなあと考えたりします。

何を成果ととらえるか

ちなみに、ここまでつらつら書いてきたのは最初の見積(提示額)と主には稼働に関する考え方ですが、発注側としては、やはり期待した成果を出してくれた人に対して気持ちよく支払いができるものだろうと思います。

成果


ここで改めて重要なのが、見積は自分が投入する資本を金額に換算して提示するけれども、それによりどういう成果を、どのレベルまで出す必要があるのか?また、どこまでを成果の範囲として捉えるのか?を具体的に合意すべきという点です。

ここがぼんやりしていると、またまた双方でどこまでやる必要がある(期待して良い)なのか?という違和感や疑問が出てきてしまいます。受注後でも、曖昧なものは気付いた段階で明らかにすべしです。

提供価値、金額、関係性は定期的に見直すのが吉

提供できる価値は変わっていきます。
能力も経験も、場合によっては影響度も、常に一定ではありません。よって、次の依頼が来るタイミングなのか、プロジェクトであれば半年に1回程度、お互いに金額や期待値、進捗などを合意する機会を持っておくのが良い関係を築くコツではないでしょうか・・・。

2018年10月に独り立ちをして、振り返ると明確に価値が提供できた仕事と、そうでもなかった仕事があり、後者の方はちゃんと反省して、続けるのか手を引くのか、今後に活かしていかねばと考えているところです。



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