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秋色

昨年の秋こと。

秋雨がしとしと降って洗濯物が乾かず、乾燥機をかけにクリーニング店へ出かけたら、店先で綺麗なワインレッドと黄緑色の落ち葉を見つけました。

とっておきたい位に綺麗な色だったので、3枚の落ち葉を並べて描きとり、通っている水彩画教室の先生に見せたら、「この絵を秋の文化祭に出す作品にしましょう!!もっと落ち葉を今、集めてきて紙一杯に描いてみて!!」と言われました。

「え!!今、落ち葉を集めてくるの!?」と急な要請に若干戸惑いましたが、だったら、一番綺麗な落ち葉を集めて来よう!!と慌てて教室を飛び出し、いつも散歩している川沿いのサイクリングロードまで行き、夢中でグラデーションに色付いている落ち葉達を集めてきました。

息を切らしながら教室に戻り、横に並べて描いていた落ち葉3枚の周りにこんな感じで描いていこうと、先程拾ってきた落ち葉達を並べてみました。

紅葉は自然の芸術です。色の変化が見惚れてしまう程美しいです。ひとまず教室でデッサンだけ仕上げ、 色付けは自宅ですることになりました。

そこからは一人探究の迷路入りです。。。趣味で月1回の水彩画教室に通い始めて半年。本腰を入れて色付けして仕上げたことは無く、いつも鉛筆画のデッサンを少しスケッチしただけで終わらせてしまっていました(汗)

初めての色付けに戸惑い、水彩画入門なる本を3冊も読んでみたり、絵が好きな友達にアドバイスを受けたりしながら、なんとか色を付けていきます。

ですが、落ち葉の中にある美を表現したくて色を重ね続けるけれど、全く納得のいく絵にはならないんです。絵は奥が深いですね。多分一生追求しても終わらないんだろうなぁと思います。表現したくてもできないもどかしさがあり、あれこれ考えすぎると余計に行き詰まってしまいます。

そんな時、娘と一緒に見ていた大好きなジブリ映画「魔女の宅急便」のあるシーンにヒントを貰いました。

主人公である13歳の魔女キキがある日突然、魔法の力が弱くなり、ほうきで飛ぶことができなくなり自信を失ってしまうのですが、友達の絵描き少女ウルスラがキキへ「魔法と絵は似ているんだね。私も描けなくなることがあるよ。そんな時はじたばたあがくしかない。描いて描いて描きまくる!!それでもできなかったら何もしない。散歩したり景色を見たり、昼寝したり、何もしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ。」とアドバイスをくれました。

このシーンを見て、「そっかぁ、きっと絵も人生も何事も煮詰まったり疲れたりしたら、一旦休憩しながら、ゆっくりと前へ進んでいけば良いのかなぁ。」と楽観的に考えることができて、あまり無理をせずに描きたい時に筆を取り、約1ヶ月位かけてゆっくりと絵を完成させていきました。

その後、教室の先生からもOKが出て、無事に額装して町の文化祭へ出展することができました。

展覧会に出展することは、初めてのチャレンジでしたが、デッサンの先に広がる楽しみを色々と発見することができました。

紅葉のグラデーションを色を滲ませぼかしながら描いていくことや、葉脈を細い面相筆で表現していくこと、背景の濃淡をつけていくこと、展覧会用の額縁や額の中に入れる厚紙の色合いを選ぶことなど、どれも新しく楽しい体験でした。

そして、完成した作品も嬉しいのですが、もう一つ以外なプレゼントがありました。それは、絵を描く人達と共感できるようになったということです。絵が好きな人と色遣いや表現の仕方の話ができることが嬉しくて、また画家の方が書いた文章の意味が以前よりもよく分かるようになりました。

完成まで、紆余曲折あったけれど、チャレンジして良かったなって思います。

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