母から聞いた思い出の味
髪から、美容院の香りがします。平たく言ってしまえば薬剤のにおいだと思いますが、シャンプーやトリートメント、スタイリング剤の香りも混ざっていると思うんですよね。この香りをまとっていると、なんだかおしゃれさんになった気分がするので、私は嬉しくなっちゃいます。
昨日、母から思い出の味の話を聞きました。ドンクのコーンパン。職場の先輩がよくおみやげに買ってきてくれていたそうです。マヨネーズなど、余計なものは入れず、パンにコーンが練りこまれているだけ。シンプルなパンだけど、それがコーンの甘さを引き立ててくれるそう。
パンの写真を見ながら話していたら、私もどんな味なのかすっごく気になってしまいました。今度おみやげに買って帰ろうかな。
食べものに限らず、何かによって思い出が引き起こされるって、素敵だと思います。思い出は心の中に残りますが、ずっと覚えているわけではない。時間とともに頭の中の記憶から徐々に薄れていきますし、忘れてしまう場合が多いです。
そんな自分の中で埋もれていた記憶が、思い出のものをきっかけにハッと思い出される。その瞬間に訪れる感情は、普段なかなか味わえないものなのではないでしょうか。
私もたくさんの思い出がありますし、どれも大切なものばかりです。宝物だと胸を張って言えます。ただ、おぼろげで儚く、ぼんやりとしか形を保っていません。
自分の都合のいいように記憶が書き換えられているものも、たくさんあると思います。それは真実ではないかもしれませんし、他人から見れば滑稽かもしれません。
ですが、私は真実はひとつではないと考えています。人の数だけ、真実は存在するはずです。他人にどう言われようと、自分の中でそっと抱きしめていればいい。
私の思い出の味はなんだろう?それはきっと、考えて思い付くものではなくて、母のようにふいに思い起こされるのだろうと思う。
これからそんな場面を味わえる日が来たら、私はどんな感情になるかな。想像するだけで、楽しくなってしまいます。
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