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バグってる

*このエッセイは2022年5月刊行予定の書籍「言葉は身体は心は世界」に収録されています。

ふとした拍子に私は「バグる」。書くことや話すことが本調子でない状態に伴って、多かれ少なかれ身体の状態や物事の受け取り方が迷走する。身体の調子が言語機能に紐づいて、言語機能単体で調子が悪いと見せかけられる時もあれば、言語/情報過多から身体の食あたりを起こしてしまう時もある。まだバグの前後にある要因や、バグっている間の自分について経過観察をし続けている。

当初この章はバグった時に書こうと決めたものの、どう頑張ってもバグってる時は書けなかった。言語機能と身体と質感の受発信が迷走状態なので、どうにも言葉を打ち出せない。言葉があらわれるより前にゲシュタルト崩壊が起きてしまう。リアルタイムに記録に残せなくて、あとから思い出して残そうと思ってもその時自分に生まれる感覚はもはや「バグった今」ではないので、書くこと自体を目的に状態を整えようとすると「バグった状態を記録に残す」というもう片方の目的が果たせなくなる。

というわけで、書ける状態になってから書かれたこの文章は、強いての言語化作業の賜物。言葉にした途端バグってる自分から遠くなってしまい、いくらばかりか美化や捨象が発生していることを承知で、ひとまずいくつかの覚書を並べてみる。

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