【物語×エッセイ】タイトルは人生 #サークル

大学1年生、5月。
授業のオリエンテーションも一段落し、徐々に友達もでき始めた頃。

能動的に行動する余裕が出てきたので、サークルに入りたかった私は、学校から送られていたサークル紹介のPDFをぼーっとスクロールした。


サークルに入る目的は、先輩を作って大学の過去問を貰うこと。


こんなにも下心満載でサークルに入る人は、今までいただろうか。(いやいない。)

なんて脳内で反語ごっこをしてしまう。
この間まで高校生で、必死に古典勉強してたなあ、そういえば。


ゆるいところ、、、

飲みサーじゃないところ、、、

変な名前じゃないところ、、、、

呪文のように唱えながら探していると。

「お、いいかも」


卓球サークル

週に2回、好きな時に来て良し、変な名前じゃないし、卓球はそれなりにできる。

ここにしよう。

そして、同じくゆるいサークルに入りたい子1人を誘い、見学に行った。




水曜日の4限終わり、第1体育館2回へ向かい、友達とサークルを見学した。

感想としては、

うん、普通。
いい意味で。

変に盛り上がってなく、みんな楽しそうに学部学年関係なく卓球を楽しんでいた。

私たちも体験させてもらい、大学に来て初めて先輩たちと関われて楽しかった。



ちょっと覗いて大丈夫そうだったら帰ろうと思っていたが、結局最後の時間までいてしまった。

卓球サークルに入ることを即決。
友達もサークルに入った。

ありがとうございましたー!


帰ろうとすると、サークル長の先輩が
今週の金曜日に新歓やるんだけど来ない?



新歓。
新入生歓迎会。

もちろんこれも参加。

私たちだけではなく、他の1年生とも話せると思うと胸が高なった。

そして新歓
なんて大学生らしいんだ。

大学生っぽいことが出来るなんて、!とミーハー心を抱いていた。




金曜日、新歓。

会場は大学の最寄り駅にあるなんちゃら水産とかいうチェーン店の居酒屋。

早めに着いてしまったので、一緒にサークルに入った友達と先に席に座って待っていた。


集合時間が近づくにつれ、続々と人が集まっていき、賑わいがまして行った。

というかこんなに人がいるのか。


まあこんなにゆるいし、普段サークルに行かない人も来ているのだろう。


全員揃ったみたいなので、飲み物を頼んで乾杯の準備をする。

私はまだ未成年なので、コーラを頼んだ。
炭酸を飲むことによってお酒を飲んでいる錯覚に陥るためだ。
お酒と似ているかは知らないけど。


1年生の入会を記念して!カンパーイ!

サークル長が威勢よく音頭をとった直後。


ウェエエエエイ!!!!

!?


正直、私は大人数が苦手だ。そして騒がしいのも。

YouTubeの大学生の飲み会とかを見て、
少しは覚悟していた。

自分はこういうウェイ系なThe 大学生みたいなものは向いていない。
とは思っていた。

それでも

飛び込んでみたかった。

だって大学生なのは今のうちだけだし。



最初の勢いを目の当たりにし
あー、帰りたいかも、
という本音を余所行きスマイルをすることにより
なんとか気持ちも上書きしようとした。


周りを見ていると本当に色んな人がいた。

3年生に煽られ酒を浴びるように飲む2年生の男性の先輩。

「今日カレシに黙って来ちゃった〜♡」と在り来りな上目遣い+少しはだけた服のあざといコンボをキメて、男性メンバーを弄びたい3年生の女性の先輩。

そんな人たちを遠目から見て「俺らはああいうの無縁だよな〜w」とおそらく気になっているであろう女性にケラケラと笑いながら言い、2人の空間を作り上げ、狙ってない風の狙っている3年生の男性の先輩。



もうカオスだった。



純粋な気持ちで新歓に行った1時間前の私が笑える。

まるで新入生の私たちではなく、先輩方自分たちのための飲み会の口実のように思えた。





新歓が終わり、家に帰る。

ヘトヘトだった、精神が。
あと無理やり作った余所行きスマイルのせいで顔も疲れた。


もちろん、新入生に気を使って話しかけてくれた先輩や「学校のことで分からないことあったら行って〜」と親身になってくれた先輩もいた。


だが、それを上回る、
あの大学生の欲にまみれた空間が、

もう耐えられなかった。



湯船につかり、天井を見る。
あァ〜。
と湯船の気持ちよさか疲れたせいか
どちらか分からないため息をもらし、

もういいかも

と現実を知ってしまったような気持ちになり
そうひとり呟いてしまった。



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