見出し画像

「ゲームなんてやめなさい!」と一度も言われずに30歳を迎えた僕は、いま、大人たちに「ゲームはいいぞ」と語る仕事をしている。

どうも、多くの人が親に怒られながらゲームをしてきたそうなのだけど、僕にはその記憶がありません。
そのまま高校、大学ときて、30歳になったいまでもゲームは相変わらず身近なところにあるのですが、それは思ってるより普通のことでなかったらしいのです。

若者支援の現場では、ゲームというのは叩かれるもの、否定されるものになりがちでした。
たしかに、お話を聞いていると依存を疑いたくなることも出てくるので、必ずしも肯定するのは難しい局面・事情があることもよく理解しているのですが、それにしてもポジティブなことが少なすぎるなぁと思っていたのです。

というわけで、YouTubeで毎月やっている配信で話す機会をいただいたので、試しに「ゲームはいいぞ」という情報を頑張ってまとめてみたのです。

画像1

本来はボードゲームとかの話もしたかったのですが、時間的な都合と、話がこじれるのでスキップしました。あとは色々な要素をすっ飛ばしてまとめました。加えて、僕は医療にかかわる専門性はないので、ネガティブな部分は触れません。あまり無責任なことは言わないように。

画像2

試しに調べると、GAMEの語源は「ひとのあつまり」なのです。確かに野球とかサッカーでは「デイゲーム」とかって言い方もしますからね。

もともとゲームは遊びや娯楽の要素はあまり強くなく、時代に合わせてその意味を強めていったような背景を感じています。

時間軸を2000年代に置くと、日本はJRPGと呼ばれる独自のカルチャーもあって、対人の印象よりはドラクエやFFのような、ゲームの世界観やストーリーを楽しむものが主流でした。

だからこそ「ひとりでゲームばかり」と言われることも多かったのかもしれません。ゲームに向けられるネガティブな視線はこの時期とても強かったように思います。

画像3

ただ、ロールプレイング全盛期に子ども時代を過ごした僕からすると、ゲームから学ぶことは非常に多かったです。

当時を振り返るとRPGには少年の成長していくストーリーが多くて、当事者性も高く影響されやすかったのです。

また、作品を理解して攻略することは、大人が作った理屈を学ぶ工程でした。情報を分解して解決に取り組む工夫は仕事にも活かせます。

画像4

2010年代、多くのものがオンラインと融合していきましたが、ゲームの世界も、どんどんインターネットとリンクするようになりました。

スマホが普及してプラットフォームがほとんど整理され、同時にSNSが広まって「ひとのつながり」が強調される時代になっています。

ゲームのスタイルも大きく変わっていきました。
esportsというジャンルが日本で生まれたのもこの頃で、対CPUの要素は薄れ、対人戦がメインになっていきます。

画像5

いま流行しているゲームは、RPG全盛の時代とはまったく異なるイメージがあります。

まず1ゲームのプレイ時間が短くなったこと。RPGは数十時間かかるものも多かったですが、今は30分前後になり、ゲームの要素が変わりました。

スタート時点は誰もが同じ条件から始まり、プレイのなかで成長していきます。これは昔からありましたね。ゼビウスとかシレンとか。

ただ、成長は選択肢がかなりフレキシブルです。相手が人なので、プレイヤー・チームの状況に合わせてカスタマイズさせていかないと負けます。

勝利に近づける戦略・スキルがフォーカスされるようになりました。

対戦のあり方も、1vs1の真っ向勝負から、4v4のチーム戦、100人のなかで生き残りなど、バラエティにあふれています。
サッカーゲームで11vs11の対人戦ができるようになるなんて思ってもみなかったですが、テクノロジーの発展はほんとうにすごいです。

画像6

加えて、プレイヤーが成長できる仕組みが整ってきています。

多くのゲームは今の自分のゲーム内の強さを数値化して表示するようになりました。同じくらいの強さの人とマッチングさせるための仕組みですが、裏を返すとそうでないと勝てないくらい偶然性が低いことの証左でもありますね。

より高いランクにいくため、日々、プレイヤーたちがゲームを研究して、より戦略上有利になる、相手に勝てるスキルが生まれています。

大切なのは、そのプレイは練習すれば習得可能であるということです。練習すればうまくなり、うまければ勝ちやすくなる...もっと上のランクにいける...となると欲求をかきたてます。

そして、上手いプレイは人を魅了するようになります。
常識では勝てないと思うような状況を覆すプレイ、誰もが想像もつかないような圧倒的なプレイ。そして珍プレーも…

「対価を払ってでもプレイを観たい」と思わせる人たちが増えると、そこに商機が生まれます。

大会が開かれ、グッズやコンテンツも増えていきます。ファンがついていけばスポンサーも出てきます。
プレイヤーの離脱を抑えることができるとわかれば、ゲームの運営側も協力的な企画を生み出していきます。

画像7

esportsを語ろうとすると「ゲームがスポーツなのか?」という問いを真っ先に出す方も多いのですが、それ自体考えることにあまり意味がないのです。ゲームを背景にしたコミュニティが形成され、市場としての価値を持つようになってきていることが重要です。

サッカーで何十億と稼ぐプロプレイヤーがいますが、彼らもボール蹴ってるだけなのになんでお金を稼げるか?と考えると、そこにお金が消費される仕組みを作ることができたからですよね。esportsには、それと同様のポテンシャルがあるんです。

画像8

配信時には、教育におけるゲームの活用についても触れたのですが、これについては割愛します(まだ不勉強だから)

僕は自分が経験してきたゲーム(JRPG)から学んだことも多いし、ゲームのなかでまでランクを意識するのはしんどいので、必ずしも昨今のゲームを迎合できていないところが正直あります。

が、SNSが普及してリアル社会で強いつながりを求められる若年世代にとって、ゲームのような、別社会との接点があることは良いことだなと思っています。
実社会になじめなかったり、生きづらさを感じている方のひとつの逃げ場所になるのではとも感じています。

こうした体験を支援に活かす試みはまだまだ模索中ではありますが、今まで以上にゲームが多くの人の人生や社会に影響を及ぼしていくだろうと期待しています。

画像9


なにかご関心をお持ちいただけましたらご支援お願いします。文章書いてよかった、誰かの支えになれたと励みになります。