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ワクチンを呪うな

オーガニックにこだわる人や場所では、結構な確率で「反コロナワクチン」が発信されています。

私はコロナワクチンについて、否定も肯定もしていません。目の前で、まずは生き残らないと未来もないと思ったときに、命を守る確率が高いと判断して選択したのがワクチンを打つという防御法で、臨床試験を経て安全性が証明されているだけ、信頼性が高いので選びました。当然のことですが、第三相試験まで終わっています。

それが将来の体に及ぼす影響はまだ分からない部分はあります。今は未来ではありませんから。

それはどの新薬も同様です。悪い影響を及ぼすとも、及ぼさないとも証明できないのが今です。未来のことまで解明された状態でしか投薬や治療ができないのならば、どの治療も予防もできないでしょう。

薬やワクチンは、投与されながら使い方が進化していきます。製薬会社や医師が、臨床現場で使用したときのデータを集め、議論し、その使用方法や量などをアップデートしています。医師たちはあまりにも多忙なのに、合間を縫って意見し、「患者さんのためにはどうなの?」と製薬会社に問うています。

新しくない薬であっても、現在進行形なのです。

どうしても未来について正解を知りたいというのなら、「まだ分からない」が正解です。

まだ分からないことを「将来、悪い影響を及ぼす」と決定して話すことは、「正しくない」と思います。

そして、それを大病した人に向かって、「ほらほら、ワクチンのせいだ!」と声高に言う。言われた人は、不安になり、後悔します。根拠がないのに、です。それは正しいでしょうか?

今、分かっている正解は、「重症化を防ぐ」という効果と、明確にされている副作用。そして「遠い将来への影響は未来でないと分からない」ということです。

今、ワクチンが将来、体に悪い影響を及ぼすかどうか、根拠が集まっていませんが、仮に「大なり小なり悪い影響を及ぼす可能性がある」のが正しいとしましょう。

病気になった人が「ワクチンのせいで病気になった」可能性があると仮定して、だったらどうしろというのでしょうか?

ワクチンを打った事実を取り消せますか? 

「まだ分からない」ことを自信たっぷりに病気の人に声高にぶつけ、不安に陥れていることは、「悪」だと私は思います。

それで「自分たちは正しかった」と自慢顔なのはひどい自分勝手だと思います。

ワクチンが正しい、正しくないではない。
相手の立場を考えずに、根拠がないことで弱った人を不安にさせる、そのことで自尊心を高める、その行動が正しくないことは決定だと思います。

命に関わることで、人の心を蝕む思い込みをぶつける。食を呪うと同時に、ワクチンも呪う。信じるのは悪いことではない。それが誰にとっても正しいと思うことが、正しくありません。

すべての宗教や、そういった信仰に近いものすべてに言えます。それが本当に正しく、多くの人に受けれてもらいたいならば、信仰していない人の立場にも立てることがとても重要です。

人の選択を尊重する、相手の立場を考えるということを、忘れずにいたいと思います。

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