乳がんになった私 #62「病気になるのも悪くない」
10月6日、ヴァイオリンのレコーディング。
9月中旬から自宅スタジオで行っていたストリングスのレコーディングは、今日でラストだ。
ヴァイオリンは、オーケストラコンサートでコンマスを務めてくれた新井桃子ちゃんにお願いをした。
私の後ろでオーケストラを引っ張ってくれていた彼女。絶対にまた彼女と一緒に音楽をしたいと思っていたので迷わず声をかけた。
やはり桃ちゃん (と呼んでいる) の出す音は、かっこいい。かっこいいと言う表現が相応しいのか分からないが、私はいつもそう思う。
これにてストリングスのレコーディングが終了。まだここから歌やベースを入れたりするので、今後どのような形でリリースするかは楽しみにしていてほしい。
その翌日、10月7日は自分たちのバンドの曲ではなく、別のレコーディングの予定が入っていた。
縁あって、“ ひろぴーファミリー ”というファミリーYouTuberの皆さんに曲を提供することになり、そのヴォーカルレコーディングをこの日、自宅スタジオで行った。
私自身、自分たちのレコーディング以外にも、他のアーティストやアイドルの方たちのヴォーカルレコーディングに立ち会ったこともあるのだが、なんと、ひろぴーファミリーの子供たちは…
ひなたちゃん5歳、ひまりちゃん3歳、ひよりちゃん2歳。
こんなに小さな子供たちの歌のレコーディングは初めて。
果たして上手くいくのか…やってみないことには分からない!ということで当日を迎え、レコーディングを行った。
そのレコーディングの様子はひろぴーファミリーのYouTubeにアップされているので、ぜひご覧ください。
レコーディングを終え、完成した曲がこちら!
もしこれを読んでくれている方の中にも育児中の方がいれば、ぜひこの曲を聴きながらおきがえをしてみてくれたら嬉しい限り。
その翌日、10月8日は夕方にファンサロンの生配信があった。
乳がんになって治療が始まってからも、ファンサロンはずっと続けている。
ただ、ライブの予定が決められなかったり、治療のせいでどうしても活動に制限が出るため、今まで行なっていた会員限定イベントや、チケット先行、ライブでの会員特典など、動かせていないコンテンツがある。それがとても心苦しい…。
そんな中でも、変わらずにファンサロンに参加してくれている皆さんには深く深く感謝している。
あなたの応援が、治療をしながら音楽を続けることへのパワーになっています。本当にありがとう。
この3日間、手足の痺れと関節痛は辛かったが、人と接していたり、音楽に向き合っている時間は平気なのが不思議だ。いや、厳密に言うと痛み等が平気というわけではないのだが、それでも、やりたい気持ちや楽しさが勝っている。
そして明日からは、旅行へ。
母と内田と初めての3人旅。そう、病院付き添い最強メンバー!
今受けている治療、パクリタキセルがあと2回で終了。その後、手術になるわけだが、手術前に旅行に行こうと母が言い出したのだ。
乳がんにでもならなければきっとこのタイミングでこのメンバーでの旅行は計画されなかったと思う。
そう言った意味では、病気になるのも悪くない。(こんなことを言うのはどうかとも思うが)
乳がんになったからこその、今だ。
そして日々、楽しいこと、嬉しいことがたくさんある。
(#63へ続く)
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