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乳がんになった私 #54「自分を褒めてあげなくちゃ」

9月中旬から始まった手足の痺れは、日に日に悪化していった。

始まりは右手の親指だったが、両手両足全ての指が痺れた。足裏全体の感覚もかなり鈍くなっていった。

常に手足が痺れていることの不快感、そして痺れによる少しの痛みはストレスだった。


ただ、この頃はまだ序の口だった。 (痺れのピークはもっと先に訪れる)


そんな中、バンドの活動はと言うと、すでにピアノのレコーディングを終えた新曲にストリングスを入れようという話になっていた。

内田と共に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのアレンジを考え、楽譜を作り、プレイヤーに声をかけた。それぞれ都合のつく日に我が家のスタジオへ来てもらってレコーディングをすることになった。

9月17日。まずはコントラバスのレコーディングを行った。同じ名古屋音楽大学出身の島田卓周くん。オーケストラライブでの「Wonderful Life」という曲での彼の弾きっぷりが最高で、今回も声をかけた。アウトロ部分、3分37秒をぜひ観ていただきたい。


レコーディングを順調に終え、この日はもうひとつやりたいことがあった。

8月26日にリリースした「サニーサイド」のライブ映像の撮影だ。リリースした音源にはコントラバスは入っていない。当日初めてこの編成で演奏をしたのだが、とても良い演奏、映像になったと思う。

もちろん指先の痺れはあったのだが、スローな曲調だったのでピアノの演奏的には助かった。


そして、新曲のストリングスレコーディングと並行して、名古屋グランパスの今期のオフィシャルサポートソング「たぎってしかたないわ」のリアレンジバージョンをリリースしたいと考えており、そのレコーディングも進めていた。

そしてさらに、9月23日には名古屋グランパスのイベントへのライブ出演が再び決定した。8月5日の国立競技場でのイベントに続いての出演、今回はホーム豊田スタジアム。前回も自分の体調 (副作用) が心配だったが、無事にやれた。なので今回もいけるだろうと判断をした。何より、出たかった。

この時期はバンドの活動がたくさん詰まっていた。というか自分たちで予定を入れていた。

治療を始めてから、体調のせいでなかなか思うようにいかない日もあり、しょっちゅうもどかしさを感じていたが…

振り返ってみると、よく頑張ってたよなあ自分。

もっと自分で自分を褒めてあげなくちゃなあ。

(#55へ続く)
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