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片耳難聴は大丈夫なのか?

今日は京都で開かれた「Center Of Excellence京都」に参加してきました。
聴力検査のテクノロジカルな部分を中心に興味深い話がたくさん。
私は活動の特性上、直接高度な検査を施すということは少ないのだけれど、こういう流れがあるっていうことを知っておくこと、感度を上げておくことは、検査を担当してくださるSTや診察をしてくださるDrと「対等に」向き合っていく上で重要な武器になると思うので、積極的に参加しようとこころがけています。


「軟骨伝導補聴器」という選択肢が伝音難聴の補聴手段の一つとして注目を集めていて、今回もお話がありました。
お話くださったドクターによると、片側難聴にも有効であるということ。
そういえば、朝ドラで片側難聴のヒロインの話もあったな~、なんて思いながら、実はたくさんいる、片耳が聞こえるがゆえに埋もれてしまう、見過ごされてしまいがちな、「片耳難聴」について考えてみました。

片耳難聴って片方は聞こえる状態ですよね。
難聴について詳しくは分からないよっていう皆さんはどのような印象を抱いてらっしゃるでしょうか?

□片方聞こえるから大丈夫?
□いやいや、人間の耳って両方あるのが本来だから、違和感があるんじゃないの?

私も改めて、

片耳難聴の特徴ついて考えてみました。

耳は2つあることで何ができる?
両耳で聴くことで得られる効果を
両耳聴効果といいます。

カクテルパーティー効果

ザワザワした中でも、聞きたいと思う人の声や聞きたいと思う音を拾って聞くことができますよね。
これは、両耳から入った音が脳にたどり着くまでに様々なポイントを経由して処理されることによって可能になります。
あんまり複雑な経路なので、迷路と呼ばれます。ですから、この過程のどこかに障害があって聞こえに困難がある難聴を、「後迷路性難聴」といいます。

音源定位

音というのは、遠くのものは小さく、近くのものは大きく聞こえます。
つまり、距離で音の強さは変わるということです。左右の耳の間には頭があるので、私たちの耳と音との距離は左右で違います。すると、届いた時に感じる音大きさも微妙に違います。
その違いを感じ取ることによって、どこから音がしたのかを私たちは認識しています。

両耳聴加算効果
両方の耳から音を聞くと、片耳で聞くよりも音が強くなります。

私たちが騒がしい場所でも複数人で会話できるのも、後から車が来ているから道の端に寄ろうと判断できるのも、両耳で聞くことができるからなんですね。

そう考えると、片耳難聴というのは、生活に支障をきたす可能性が十分にありうる難聴だと言えるのではないでしょうか?
片耳は聞こえるだけに一対一での会話には対応できるし、言語発達に支障をきたすこともほぼなく、一見すると問題ないため、理解を得ることがとても難しい状態です。

また、本人の聴こえ方も、「聞こえるのに聞こえにくい」というとても複雑なものです。

そんな矛盾は、大きなストレスになるのではないかと推測しています。

両耳で聞くことが私たちにとってどんな意味があるのか、少しでも知っていただけると嬉しいです。

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