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味付けは食材の重さで決める「調味パーセント」という極意

気づいたら、台所の壁が紙だらけになっていた。私は溜まっていく紙をみて、あれもこれも作ったなあ…って気持ちに浸っていたんだけど、ついにキレイ好きの彼から撤去要請が出た。壁と紙にくっついたセロファンテープをペリペリと剥がしていく。

「これは一生ものの1冊になる、いや、する」と決めて、レジに持って行った本がある。『藤井恵 繰り返し作りたい定番料理』(主婦の友社)だ。藤井恵さんの料理家生活20周年を記念して、今年の4月に発売された料理レシピ本。(実はお仕事の関係でゲラのデータ版を貰っていたんだけど、これは買うしかあるまいと決めていた1冊)

その名の通り、肉じゃが、から揚げ、コロッケ、ハンバーグ、麻婆豆腐など、藤井さんが家族のために繰り返し作ってきた定番料理がまとめられている。洋食や中華に比べて、ちょっぴり和食のレシピが多め。おせち料理を含む季節の行事食やおやつのレシピもある。

通常のレシピでは書ききれない料理のコツや基本をたくさん詰め込みました

1品のレシピに3ページくらい割かれていて、調理工程の写真やおいしく作るポイントが詳細に書かれているのも魅力。ラクをする、というより、ひと手間かけておいしく作る、という内容だから、時間はかかるけど、その分、食卓に並べた時の達成感はひとしお。

そして私がペリペリと剥がした紙には、本書の極意をもとにした殴り書きが残っている。藤井恵さんが学生時代に学び、本書で初公開した味付けの秘訣、「調味パーセント」を計算した痕跡だ。

調味パーセントとは、簡単に言うと食材の重さから調味料の分量(塩分と糖分の量)を導きだすこと。その計算方法というか。

例えば、塩分は人間の体液の塩分濃度と同じ0.9%を基準にして考える。そこで食材が100gの場合は、100×0.009で0.9gの塩分が最適。0.9gの塩分というと、しょうゆなら小さじ1、塩なら小さじ1/5弱となる。

…といった感じで、最初見た時は複雑そうで、イチイチやってらんない! と思いもしたんだけど、冷静に考えたら、あと慣れてしまえば、この考え方がすっごく便利。自分でささっと炒め物をする時にも、作りたいレシピの分量を多くしたいって時にも、調味パーセントがあれば「しょっぱい…(あるいは、薄い)」って味付けの失敗はかなり防げる。

やっぱり、料理はおいしく作りたい。本書のレシピを見ながら、人生で初めて作ったベーシックなコロッケも、最高でした。

↓この記事の料理も藤井恵さんの料理レシピ本を参考にしています。藤井さんのレシピ本大好き!


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