スウェーデンってどんな国?2年住んで感じたこと
2021年秋にスウェーデンに移住して2年が経ちました。
移住前は『北欧の国だよね!おしゃれなイメージ!』くらいで、スウェーデンのことは何も知りませんでした。
そんな私がスウェーデンに2年住んで感じたことや驚いたこと、イメージと違った!ということなどいろいろあったのでお話します。
国土は日本とほぼ同じ、人口は10分の1
スウェーデンは面積が日本の1.2倍とほぼ同じ大きさなのに対し人口は1000万人と10分の1以下。
スウェーデンの人口は東京23区の人口とほぼ同じです。
国土の半分が森で、湖も多く自然豊かな国です。
首都ストックホルムはたくさんの島でできていて、それぞれ橋で繋がっていて行き来できるようになっています。
有名なのは一番大きなゴットランド島。
ここはジブリの魔女の宅急便のモデルになった島です。
「自然はみんなのもの」という法律
スウェーデンには自然享受権という法律があります。
これは、自然はみんなのものだから土地の所有者に損害を与えない限りは他人の土地でも入って植物を採集したりしていいよ!というもの。
つまり、森に入ってきのこ狩りをしたり、ベリー狩りをしたり、場合によっては人の家のお庭のりんごの木からりんごをもらってもOK!
自然の中でテントを張ってキャンプをしたり、魚釣りをすることも認められています。
日本では許可されている場所以外は禁止ですよね。
スウェーデンは禁止されている場所以外はOKなんです。
スウェーデンに住む人たちはそれぞれお気に入りの森があり、夏や秋にはかごを持ってベリーを採りに行ったりきのこを採ったりしています。
森といっても日本のようにわざわざ郊外まで行かなくても、町の中心部であっても10分も歩けば森の中なんてこともよくあるのでお散歩途中でベリーをつまみ食いしたり…なんてことも。
本当に自然が身近にある環境です。
移住1年目だった去年はまだよくわからず特に何もできませんでしたが、2年目の今年は地元の人に教えていただいた森に行ってブルーベリー狩りをしました。
専用の道具もあるんですよ。
きのこはまだどれが食べていいものかわからず怖いので採っていませんが、もう少しスウェーデンレベルがアップしたら挑戦してみたいです。
ジェンダーレス
スウェーデンに住んでいて感じるのが「性別の区切りがない」ということ。
トイレは男女共用のところがほとんどだし、洋服売り場ですらはっきりと「レディース」「メンズ」といったエリア分けはされていないところもあります。
娘たちの学校でも「男の子だから〜」「女の子だから〜」という言い方は一切されないらしく、子どもたち自身も性別にこだわる感覚はないようです。
見ていても男女混ざって遊んでいるし、遊びも男の子だからこの遊び、女の子はこの遊び、なんていう考えはありません。
ジェンダー平等の政策が50年以上前からあるので親世代、教師世代もジェンダー平等教育で育っていて、もう社会の「当たり前」がジェンダーレスになっているのを感じます。
高福祉は本当だった
よく北欧の国は高福祉だと言われますが、実際に住んでみてその通りだと感じています。
医療費は子どもは無料、大人もほぼ無料(年間の支払い上限が1万5000円程度。超えるとその年は無料)、子どもの学費は完全無料です。
私がびっくりだったのはこの学費完全無料。
日本でも義務教育である小中学校は基本的に学費無料だし、高校も無償化が進んでいますよね。
でもスウェーデンの学費無料は次元が違いました(笑)
本当に一切無料なんです。
鉛筆1本、ノート1冊すら買う必要がありません。
よくある絵の具などの学用品も個人で買うものは全く無いのでちょこちょこ集金されるなんてこともなし。
これはお金の面ではもちろんですが、右も左もわからない国で学校に必要なものを買い揃える必要がなくて本当に助かりました!
その他にも子どもは本当に大切にされているなというのが実感します。
子育て環境はかなりいいです。
海外あるあるは当てはまらない
よく聞く「海外は治安が心配」「レストランの水も有料」「水道水は飲めないし生卵も食べられない」などの海外あるあるはほとんど当てはまりません。
スウェーデンはレストランやカフェで水は無料で自由に飲めるし、水道水も飲めるし卵も生で食べられます。
スウェーデンの水道水は地域によって軟水・硬水が違いますが、80%の地域が軟水です。
関東より柔らかく、場所によっては北海道や近畿よりも軟水!
なので水道水は正直日本よりおいしいし、シャワーしても髪がごわごわになったりの心配もありません。
生物もお刺し身や生卵もOK。
我が家も結構頻繁に家で手巻き寿司やすき焼きを食べています。
治安は感じ方に個人差はあると思うし、地域差もあると思いますが私個人としては日本の都会より治安いいんじゃないかなと感じています。
小学生は子どもだけで歩いて登下校していますし、カフェなどで荷物を席に置いたまま離れる人も日本と同じくらい普通にいます。
私は何度かスウェーデンでお店やトイレにスマホを置き忘れたことがあるんですが、しっかり届けられていて無事に手元に戻りました。
何度もやらかしてないで気をつけろよ!って感じなんですけどね(笑)
ですがここ1,2年は移民・難民や世界情勢の影響で犯罪が増えているそう。
観光地や繁華街に行かれる方はご注意くださいね。
物価は高め。でも生活費はそんなに変わらない場合も…
物価は確かに高いです!(笑)
特にガソリンなんて二度見するくらい高い。1リットル300円弱くらいします。
その他にも嗜好品など必需品でないものは高めの傾向にあるような気がします。
食品は日本と比べて高いものも安いものもあってトータル同じくらい。
日本食にこだわらなければそんなにずば抜けて高いということはありません。
日本のものはもちろん高いです…。
キッコーマンの醤油が1本1000円弱。カレールウも同じくらいします。
居住費はほぼ同じか少し高めなくらい。
光熱費は私の住んでいる地域は平均化やや安めなのですが、地域によってかなり差があります。
子育てには全然お金がかからないし子ども手当のようなもの(所得制限なし、非課税)ももらえます。
なので我が家の生活にかかるお金としては、トータルは日本での生活とそんなに差はないかなと感じています。
スウェーデンの平均年収は600万程度だそうですが、職種によって結構差がありそうな印象。
それはどこにいても同じですね。
ちなみに9割近くが共働き世帯です。
金銭面では家族構成や生活環境によっても大きく差があり、独身者は金銭的余裕が少なく実家暮らし率が上がっているとのニュースもあります。
住み心地は最高!
スウェーデンは人も静かでゆったりしています。
人口密度が高くないので混雑する場面がほとんどないし、穏やかな人が多く大きな声を出す人が少ないように感じます。
日本から遊びに来た家族や友人はスウェーデンの静かさに驚いていました。
緊急車両のサイレンをほとんど聞かないことや、小さな子どもであっても遊び場以外では静かな子が多いので私も移住当初は驚きました。
個人主義で人のことを気にしない、見ていないのでみんな自分の思うように行動しています。
人がどんなファッションをしていようが、どんな行動をしていようが自分に影響がないことは全く気にしないスウェーデン人。
そういった国民性や冬の寒さ、日照時間の短さなんかが大丈夫な人には住心地のいいところだろうなと感じます。
結局住みやすいと感じるかどうかは相性だと思うので合う・合わないがあると思いますが、私はめちゃくちゃ合ってるなと感じています。
いろいろと困ったこともあったし、日本の便利さを知っているので少し不便に感じることもありますが、私にとってはずっと住みたい国です。
1日何度もコーヒータイム『フィーカ』があって、いたるところにカフェがある環境。
カフェ好き、コーヒー好きの私には最高です!
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