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映画感想#48 「グッド・ストライプス」(2015年)

監督・脚本 岨手由貴子
出演 菊池亜希子、中島歩、臼田あさ美、井端珠里、相楽樹、中村優子、山本裕子、杏子、うじきつよし 他
2015年 日本 119分



結婚とは、相手の全てを受け入れるという簡単で難しいこと

妊娠をきっかけに、成り行きで結婚へと踏み出そうとするカップルのお話。

菊池亜希子の主演ということで、映画は全体的にオシャレです。緑(みどり)という役柄もまさに文化系女子で、ファッションやインテリアも菊池亜希子そのままという感じ。
中島歩演じる真生(まお)はすごく、何というか…主体性がない。緑の方が自分の意志をはっきり言うタイプ。一見合わなそうだけど、2人の空気感はなぜか居心地が良い。

妊娠を機に、「結婚、するよね…?」で始まるお互いのルーツの旅は、実は人生にとって必要なもので。結婚というものは、今までの人生を振り返り、これからを見つめ直すタイミングでもある。知らなかったお互いの過去を知り、家族を知り、その人の全てを受け止めること。結婚ってそういうことなのかもしれない。
最後のシーンで、花嫁姿の緑が真生のことをぼんやりと眺めていたのが印象的でした。これまでの感謝やこれからの覚悟、そしてもちろん愛おしさみたいなものが詰まった表情だったと思います。

緑、真生それぞれの友人関係も描かれているのですが、緑の親友・裕子とのすれ違いは切なかった。大人になると、友達との関係も難しいですよね。年齢とともに変化していくこともあるし、必ずしも友達を最優先にできない時もある。
逆にこれまで仲が良過ぎて、ギクシャクしたことがないからこそ、何となく元に戻れない。そのうち連絡することすらできなくなり、疎遠になってしまうのかもしれないと思うと、ちょっと悲しい。

女の友情は立場や環境の変化で、少なからず変わっていくものだ。ずっと『週刊少年ジャンプ』を読みつづける男子とは違って、女子はどんどん卒業を繰り返していく。だからおもしろいのだけど、だから辛いこともたくさんある。

「グッド・ストライプス」パンフレット
P17 REVIEW(山内マリコさん文)より抜粋

タイトルの「グッド・ストライプス」というのは、単純に訳せば「素晴らしき平行線」です。結婚しても、お互いの線は交わらないのでしょうか?
解釈によってはドライかもしれないけれど、結婚しても、2人は結局別々の人間であることは事実。交わることはないけど、離れることもない。これからもずっと並んで歩いていくという意味が込められた、素敵な考え方だなと思いました。

ドキュメンタリーのような自然な会話が魅力の、優しい映画です。

☆鑑賞日 2015年5月30日


余談〜初日舞台挨拶を見た〜

公開初日、新宿武蔵野館にて舞台挨拶付き上映で見ることができました。しかも2列目のど真ん中。1列目は関係者やメディアが入るので、実質最前列です。
公開初日で見るのも良いですねえ。今や混雑を避けて、公開から1〜2週間経ってから見ることが多いですが、初日というのも特別感があって良い。

菊池亜希子さん美人さんだったなあ。
高校の頃から雑誌で見て気になっていたので、ついにご本人を見ることができて感無量でした。背が高くてスタイルも良く、ボーイッシュなスタイルも可愛いので憧れます。流行りではなく、「質の良いものを着ることの良さ」みたいなものは、菊池亜希子さんから学びました。
そして、自分のセンスに自信を持ってファッションを楽しむこと!自分もそうなれたらいいな〜なんて思ったりしています。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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