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わたしは小さいころから「ことば」がすきでした。文章を紡ぐのも好きでした。踊ること、歌う…

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わたしは小さいころから「ことば」がすきでした。文章を紡ぐのも好きでした。踊ること、歌うこと、書くこと、聞くこと、この4つのピースがわたしを形成しています。

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最近の記事

ママの愛とかりんとう

突然ですが、エッセイを書きたい、文章を紡ぐ仕事をしたい!と思っている私がテーマに掲げていることの一つが、「地方の良さを伝えたい」という思いです。 現在住んでいる、岡山県西部に引っ越してきて2年、 私は名産のごんぼう(ごぼう)を使って作るかりんとうに出会いました。素朴な味と作り手の思いに共感し、2児のママである友人にプレゼントしたところ、とても気に入ってくれました。 母乳育児真っ最中の友人曰く、 「自分の食べたものが赤ちゃんの栄養になると思うと、なるべく体にいいものを取りたい」

    • 私が花を贈る理由

      丁寧に梱包して箱の隅っこには「enjyoy flower life」と小さくこっそり記して。 クリスマスカードの裏側には花の名前をすべて記している。名前を知って花とじっくり向き合って過ごしてほしいから。 クリスマスシーズン、私は毎日リースを作っては届けている。 まるでサンタクロースのように。 遠くに住む友人からもリースサンタに来てほしいと言われたらその人をイメージしてリースを作り気持ちをこめて贈る。 花を生活に取り入れることでうまれる楽しさ、わくわくした気持ち、しゃ

      • くるみボタンと秋の朝

        朝起きて窓をあけると、つんとする空気。 例年より暖かい日が続くと、つんとした秋らしい空気を感じるのも、うれしいものだと寒がりな私も感じるようになった。 我が家は季節ごとにスリッパも衣替えするのだが、ぐんと冷え込んだ少し前、私だけ一足先に冬用のスリッパを用意した。 温かみのあるオレンジレッド色でふわふわしたボア素材のスリッパ。至ってシンプルなデザイン。 そのスリッパにふと、ボタンをつけてみようかと思った。 裁縫はめっぽう苦手な私がである。自分でも驚いてしまうそのひらめき

        • 11月のアドベントカレンダー

          11月が実はなんだか苦手だ。 風邪をこじらせたり、胃腸炎になったり、家族がギックリ腰になったのも今までたいてい11月。 11月はなんだかよくない月だと勝手に思い込んでいる。 占い好きの母の影響も、悲しいかな大きく受けている。 それならば、アドベントカレンダーの逆をとって、楽しい1日だったと、1日の終わりに日付にマークをつけるか、お気に入りのシールを貼るか。 ただ安心したいだけかも知れないけれど。 個人的な決めつけで11時を不運な月としたら、 11月になんだか申し訳ないし、か

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        • あゆみのキモチ
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          気づいたこと

          これはある種の想像で、思い返したら、はっとした話なのだけれど、 仕事中心の生活、いや勝手に自分を仕事だけに追い込んだ生活を送っていたとき、 わたしはきっとお皿洗いをしているときさえ眉毛と眉毛の間にしわを作っていた気がする。 洗濯物をたたむのも、明日のお弁当の準備をしているときも、炊飯器の予約をセットしているときも、きっと。 もったいなかった、今はそんな風に思う。 平等に過ぎてゆく時間を、眉間にしわをよせて過ごしていたなんて。 もったいない、自分にも家族にも。 だから、今は意識

          気づいたこと

          空に寄せて

          結婚して、2年が経った。 通勤が電車の私にとって、 最寄りの駅が変わったことは、 今まで見えてきた世界がまた違って見えたし、 目をつむっていても、 ホームまでたどり着けそうなくらい、慣れ親しんだ駅とのさよならは、 やはり少しさみしかった。 久しぶりに、実家近くの駅で降りた。 あぁ、すごく懐かしい。 空気も匂いも、まんまるい夕日も、全部。 5時になると、夕日の歌が流れてる 懐かしい町。 懐かしむということは、今の場所で じゅうぶん楽しんでやっているということ。 夕日を見な

          空に寄せて

          ありがとうの日

          サラダパスタも春の装い。 今日はタイミングよく高校生の頃からの友人に会えた。ショートボブだったあの頃は学生カバンがお供だったけれど、今ではスマホで連絡が取れて髪の毛はゆるパーマでいっちょまえにカフェで好きなものを頼んでおしゃべりできる関係。 彼女と会うといつも背筋がぴんとする。 そしてわたしもがんばろうと背中を押されるのだ。 少しだけ先輩なわたしはいつもがんばってるね、とお母さんのような気持ちになりながら話を聞いている。 彼女の未来への選択がどんなときも素直なものであり

          ありがとうの日

          コーヒーとドーナツをひとつ

          よく晴れた土曜日の昼間、一緒に用事を済ませた父と十数年ぶりにドーナツ屋さんへ寄った。 父はコーヒーにきなこドーナツ。 わたしはロイヤルミルクティーに黒糖ドーナツ。 甘いドーナツでも気持ちだけ健康志向な きなこと黒糖のドーナツを選んだあたりが私たち父娘らしい。ふたりとも飲み物はおかわりして2杯ずつ。 ふと、裏側のドアが開き春の匂いがする風が通った。父が目をやる。そして目を細めてヘルメットをかぶった小さな子供が入ってくるのを見つめている。 還暦を過ぎたら父もこんな顔をして子供をみ

          コーヒーとドーナツをひとつ

          靴を磨くこと

          出張から夫が帰ってきたら革靴をブラッシングする。出掛ける前にもブラッシング。たぶんわたしはいつになく真剣な顔をしている。 普段履くスニーカーなんて洗う以外手入れはしないけれど(それはそれで問題だけれど)革靴だけは気付くとブラシをかけている。 ブラシをかけながら、少しずつ革のツヤが戻ってくるのを眺めながら父の姿が浮かんできた。 私が高校生の頃、制服の革靴にブラシをかけてくれるのは母よりも掃除好きな父の方だった。期末試験の日の寒い朝も最後のチャレンジ!と意気込んだ英検の面接試験の

          靴を磨くこと

          サプライズは仕掛ける担当だったのに

          知性を感じる額をすっきりあげてまとめ髪にして慎重派の性格からかいつもカバンはショルダーバック。(ひったくりに遭わないために)そういえばはじめて会ったときもダコタのかわいいくたっとしたレザーのショルダーバックを持っていて見とれたっけ。 10年も先に生まれてわたしより10年も長くいろんなものを瞳にうつしてきたなんて信じれないくらいぴったりな感覚。 半年ぶりの電話でも止まらないおしゃべり。昨日も明日も猛暑日みたいよ、って話したみたい。サプライズは仕掛ける担当だったのに、まさか仕掛け

          サプライズは仕掛ける担当だったのに

          パンとエスプレッソと

          今夏旅行をしたとき、どうしてもモーニングを食べに行きたいお店があった。 そのお店のこれが美味しいであるとか、情報は何も知らない段階で、 直感でどうしても行きたいお店だった。 それが、「パンとエスプレッソと」だった。 パンとエスプレッソと〇〇ならわかるものの、 なぜエスプレッソ「と」なのか? その独特な言葉のリズムに惹かれた。 このお店は絶対美味しい!そんな確信があった。 結局、時間的都合で寄れず泣く泣く断念したのだか、今秋大阪に出店したとの情報を得て小躍りしたのだ。 関西は夫

          パンとエスプレッソと

          80円の切手 「神様のボート」

          大学時代に読んだだろうか、心酔していた江國香織さんの「神様のボート」の文庫本のなかに、こんな一節があった。 「手紙を書きなさい。手紙なら全国どこから出しても80円なんだから。」 当時80円。 愛する男を探し続けるために娘を連れて日本中を転々とし続ける母親が、一つの場所から離れたくないと乞う娘に対して発した一言だった。 わたしは今でもこの言葉に深く頷いてしまう。 どんなに離れていてもどんなに近くても同じ値段の切手で届く。 同じ温度の思いが相手がどこへいても届くのだ。 この安心

          80円の切手 「神様のボート」

          15センチ

          髪の毛を思い切って切った、15センチ。 15センチ切れるほど伸びていたことに驚く。 髪の毛を切ったら、欲しかった抽選に当たり 友人からギフトが届き、また別の友人から 久しぶりに電話がかかり、 贈りたい人の顔が浮かぶベストなポストカードにも出会えた1日になった。 これは、昨日くまなくトイレ掃除をしたおかげかな? トイレの神様ってやっぱりいるのかもしれない。 べっぴんさんになりたいもんね、わたしも。