発想力の源

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#子どもに教えられたこと」です。

仕事柄、絵本屋さんやおもちゃ屋さん、教育活動をしている方など、子どもと深く関わる方にインタビューする機会がある。その中で印象的だったのは、みなさん“子どもの発想力の素晴らしさ”について語ってくれたことだ。

たとえば以前、静岡にあるおもちゃと絵本の専門店を取材した時、店主の方がおもしろい話をしてくれた。子どもに積み木を買って与えると、ただ単に上に積み上げるだけでなく、積み木を建物などに見立てて、ひとつの街を作るのだという。ある一定の場所で(その都度片付けさせずに)何日間も積み木で遊ばせたときには、大人もびっくりするような大作を作ることもあるそう。

あるいは小さなブロックのおもちゃを、食材に見立てて、おままごとに役立てる子もいる。確かに私も小さい頃、おはじきをおもちゃのフライパンで炒めて、遊んだりしたっけ。

そう、子どもにとって積み木はただの木の塊ではないし、ブロックもただつなげて遊ぶだけのものではない。想像力を働かせて、無限に楽しむことができるのだ。


そういえば、小学生のとき、公園にあった変なカニの遊具で、友達とオリジナルの鬼ごっこで遊んだこともあったっけ。

誰がその鬼ごっこのルールを決めたのか覚えてないし、もしかしたら代々あの辺りに住む子どもたちに受け継がれた遊び方なのかもしれないが、あの用途のわからない謎のカニの遊具で楽しく遊べる子どもってすごいなと素直に感心する。

子どもって本当に自由なのだ。毎月、企画のネタ出しで苦しんでる頭の硬い自分にとっては羨ましい限りだ。大人になると、なぜこんなにも頭が硬くなってしまうのかな? 歳をとると固定概念がなかなか取り払えなくて、視野が狭くなるという感覚、誰しも身に覚えがあるのではないだろうか。

私が尊敬するライターの先輩は、「こういう企画にしたら、おもしろいと思わない!?」と目をキラキラさせる。あぁ、もしかして私に足りないのって楽しむ心だったりして? 子どものときだって「こう遊んだら楽しいかも」ってワクワクする気持ちが新しい発想を生んでくれてなかった?

とか思いつつ、考えを改めたからといって、頭が凝り固まって数十年経った大人なので、すぐに何かを変えられるわけでもない。「これが大人になるってことか〜」ってつまんないことを考えながら、今日も机で企画書と睨めっこしている私である。

執筆:otaki
編集:アカ ヨシロウ

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