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エシカルに関心が薄いのはなぜ?

‘‘日本はまだエシカルファッションについて関心が薄いと思うのですが、それはなぜですか?‘‘

母校の高校生から、問い合わせがありました。

エシカルやSDGsが未来の世代の関心事になっているのを感じます。

私もまだまだ勉強中の身ですが、ここ最近エシカルやサーキュラー・エコノミーにつきいろんな方からお話を聞き、エシカル・コンシェルジュの認定もいただいたので、ちょっとお姉さんぶってこんな回答をしてみました。

みなさんのご意見などもお聞かせいただきたいです!

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エシカルというのはファッションのことを指すだけではなく考え方全般のことですが、わかりやすくエシカルファッションに焦点をあててお話しますね。

エシカルファッションを考える上で根底となる考え方がサステナビリティ(持続可能性)だと思います。


エシカルファッションにおけるサステナビリティというと、

例えば、
・資源を使いすぎない
→化石燃料や木など使いすぎて資源が枯渇してしまうことは持続可能ではないです。
・自然の素材を使う
→地球に還る素材を使うことで環境汚染が防がれ、再生が進むということは持続可能です。
・いらなくなったゴミを資源として使う
→捨てるものがでないということは、持続そのものです。
・服づくりに関わる労働者の人権がしっかりと守られているしくみをつくる
→どこかで誰かが嫌な思いをしていると持続可能ではないです。

ということが挙げられます。


サステナビリティとは何かイメージしてもらったところで、本題に入ります。

なぜ日本ではエシカルファッションへの関心が薄いのか?

それには3つ理由があると思います。

① そもそも日本の社会では、サステナビリティという考え方が浸透していない。

文化的、歴史的背景が関係あると思います。(長くなるのでここ別稿)人や組織が社会全体の未来を意識して考えることが少ない。当事者性が低い。そのため、日本ではサステナブルなものづくりや組織作りが遅れています。基本の概念が浸透していないので普段のライフスタイルや消費行動でもサステナビリティを意識しないわけです。

② エシカルやフェアトレードの伝え方が、一部の社会課題に興味を持っている層に向けられている。

社会課題に興味をもつのは全体の中の一部なんだということを理解して、雇用が不平等だ!悲惨な現状があるからかわいそうだ!と言ってストーリーで売ろうとするのではなく、他の層にもアピールしていく必要があると思います。例えば、純粋にデザインがかっこいい!イケてる!ああなりたい!などです。


③ いわゆるアパレル業界自体がとても遅れている。

アパレル業界では在庫ロスの問題(日本では服の在庫の半分が最終的には捨てられているのが現状)が注目されていますね。
かといってエシカルブランドだと受注生産型が多いので手元に届くまで時間がかかったり、どこにでも店舗があるわけじゃないので利便性に欠けるなどの問題があります。
ファッション産業はテック化(テクノロジー化)が遅れていると言われていますがもっとITを活用して、例えば自分に合ったサイズの服が短期間でできてすぐ手に入れるようになれば、在庫ロスだけでなくこれまでエシカルファッションでかかっていたの時間や材料のコストも抑えることができ、より認知度があがって広い層に届いていくのではないかと思います。


いろいろ書きましたが、日本でエシカルが広まらない一番の理由、それは、まだ「イケてる伝え方ができていない」からだと思っています。(例えばZARAやH&Mもエシカル思考に舵を切っていますがそういう伝え方はされておらず、知らないまま買っている人が多い。)

ヨーロッパはcoolなライフスタイルのつくりかた、魅せ方が上手なんだと思います。(ナッジコミュニケーションなど)


余談ですが、上記とは別に経済のしくみ(ビジネスモデル)自体が変わっていけば、自然と浸透してくるものだとも思っています。

そこで最近注目しているのがサーキュラー・エコノミー(循環型経済)です。

これまでの経済モデルは、とにかくたくさん物をつくって、とにかくたくさん売る「大量生産・大量消費モデル」です。そのため、とにかく安いコストですばやく作り、早くダメになってもらい、また新しく買い替えてもらうことが大前提です。

これに対して、サーキュラー・エコノミーは「循環」を大切にします。より質の良いものを使って長く利用してもらえるものをつくり、
材料も地球に負担のかからないものを使用する考え方です。そしてこのモデルでしっかりと利益も生んで経済がまわるようにしていく。
これが大事だと思います。