『揺れるにおい』
ススキが揺れるにおいなら
覚えてる
静かな月の匂いだったらよかったのに
炎が燃えるときの
苦いにおい
母の細胞が焼ける音と同じ周波数の
家は野原の真ん中で
狼煙のようにくすぶりながら
崩れ落ちた
私はお月様の歌を口ずさみながら
手のひらをヒラヒラ泳がせて
ただ 踊っていた
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。