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「かわいい」と「飼いたい」について

 俺は今現在生き物を飼っていません。自分のことですらままならない状況下で生き物を育てるというのは不可能であろうと考えているためです。

 もともとペットの中でも犬に関してはあまりいい思い出がなく(幼少期の母は明らかに俺より飼い犬を溺愛していたため)「画像や動画を見ていれば十分」という感情も無くはないですが、それでもTwitterのタイムラインやYouTubeのおすすめ動画等に他の方々が飼われているかわいいペットの画像や動画が流れてくるとそれはそれで癒されるものです。

 ところで俺は絵を描くための資料単純な興味としてしばしば検索エンジンで生き物の画像を検索することがあります。
 そこで少し珍しかったり、(ペットとして飼育されることが一般的でなくても)かわいい生き物の名前を検索すると「(生き物の名前)飼い方」「ペット」「飼育」などがサジェストされる状況に対して俺は「なんとなく嫌だな」という感情を抱いていました。恐らくはそこに人の業のようなものを見出してしまうからでしょう。
 「本当にそれを『飼う』必要があるのか?」「動物との付き合い方は『飼う』以外にもあるのではないか?」と考えることもありますし、同じような気持ちを感じたことのある方は決して少なくないかと思います。

 かわいい動物を見てかわいいと感じることは自然なことで、悪いものではありません(そんなことは俺が言うまでもないでしょうが)。もちろん飼いたい生き物についての知識や必要な設備を揃え、最後まで責任を持って飼育するという個々人の意思決定を否定する権利も誰にもありません。
 しかし珍しい・かわいいというだけでペットとして飼われることが一般的でない生き物を「飼いたい」という一時の感情だけで飼いはじめ、結果的に人と生き物の双方にとって不幸な結末になってしまうこともあり得るでしょう。
 俺はエスパーではないので他者が何を思って検索ワードを入力するかまではわかりません。ですが、それによって得られた知識でそうした不幸な結末が未然に防がれていることを願うばかりです。

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